UiPathにExcelから上場株式の評価明細書への入力をお願いしてみた

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考えてみると、税務ソフトには「入力しないといけない」ということが意外に多いです。

中にはRPA(正しくはRDA)で解決できることもあります。今回はUiPathでExcelから上場株式の評価明細書の入力をやってみました。

目次

意外にも入力が多い相続税のしごと

相続税の申告書をつくるには、相続税のソフトにデータを入力することから始めます。

その上で、誰がどの財産を取得するのか、どの債務を負担するのかを1つずつ入力し、その上で相続税を計算します。

相続税は財産全体をベースにして税額計算し、各相続人の財産の取得割合によって按分し、払うべき相続税が計算されます。

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こうしてみると、相続税の申告書を作成するには、入力することが多いのです。

Excelから直接、申告ソフトにデータ連携できればいいのですが、現状はできません。

データ数が多いとそれなりに大変です。

入力することは出来るだけ避けたいというのが本音。

そこで、RPA(Robotic Process Automation)で少しでも楽になるような解決策を探ります。

UiPathというRPA(RDA)ツールに、税務ソフトへの入力をお願いできないか?と考えてみると、できることもありそうです。

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そこで今回は、JDLの財産評価システムへの入力をUiPathにお願いしました。

上場株式の評価明細書 Excelデータを準備

今回お願いしたのは、上場株式の評価明細書への入力。

上場株式の評価については、次の4つうち一番低い金額を評価単価として採用、これに株数をかけて評価額とします。

上場株式の評価

原則として次のうち一番低い金額(修正する場合もあり)

  1. 課税時期の最終価格
  2. 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額
  3. 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額
  4. 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

通常、この4つの価格を調べるところから始めるのですが、東証のHPを見てコピペしてと、とにかく時間がかかります。

数が少なければまだしも、評価する株式数が50件とか100件と多くなるほど大変。

1つずつやっていたら1件で4つの株価を調査、20件なら80の株価を調べないといけないですし、手もイタくなるのでできれば入力したくはありません。

そこで、株価評価サービスを利用して、株式の評価データのCSVファイルをダウンロードしたものを、

 UiPathに入力しやすいように必要なデータだけ並べてカスタマイズします。

「UiPath」というシートをつくっています。あとでこのシート名をUiPath側で使うことになります。

 

これをUiPathに入力してもらうのです。

ちなみに年月は、例によって入力するために文字化する必要がありました。

やり方は色々あるのでしょうけど、次のような式で処理しました。

UiPathB2セルの式
=mid(text(元データB2,”yyyy/mm/dd”,6,2)&mid(text(元データB2,”yyyy/mm/dd”,9,2)

 

まずは結論から。動画つくってみました。UiPathにお願いしたらデータ20件で約4分でした。自分でやったら4分で入力するのはちと無理かと。

Uipathにお願いすれば、データが100件あるなら単純計算で20分で完了ということになります。

やっぱりお任せした方がいいです。

UiPathでExcelデータからの入力を自動化してみた

UiPathでこういった流れでプログラミングしていきます。

前述のExcelデータを見てもらう

まずはExcelのデータを見てもらい、財産評価システムに入力するための準備をします。

[Excel application scope]で前述のExcelファイルを選択、[Read Range]でどのシートを見るかを指示します。シート名は前述の[UiPath]です。

この[Read Range]では、今読み込んだデータをあとで書き出すためにその情報を箱に入れておきます。

その箱に名前をつけておきましょう。

名前をつけるには、[Ctrl+K]をクリックし、名前をつけます。ここでは「Datatable」にしました。

財産評価システム(JDL)への入力を始めるには…

次に財産管理システムの操作をプログラミングします。

「財産管理システムで、どう動いているか?」を確認しながらつくっていきます。

最初に[追加]をクリックして入力を始めるのですが、ショートカットがあるわけでもなく、カーソルでクリックしにいく必要があります。

RecordingからDesktopをクリックし、[追加]ボタンをクリックしましょう。

と、ここまでやって保存すると、こんな感じの表示が出ると大丈夫ってことです。

株式の銘柄の欄に移動させるにはtabキーをクリックするのですが、[Send hotkey]で次のように設定します。

繰り返し入力していく

株のデータ数だけ、繰り返し入力していきます。

繰り返し処理は[For each row]。先ほど箱に入れた[Datatable]をここで使います。覚えた情報を書き出す準備です。

銘柄を入力するのは、[Type into]を使って次のように入力します。


row(“brand”).ToString [brand]は今回のExcelシートでの銘柄データの名前です。

この後も入力の動きに沿って、つくっていきます。

tabキーをクリックして、row(“today”).ToString → tab → row(“des.”).ToString(12月分)、

同様に11月平均、10月平均株価の入力、

財産管理システムでの操作に沿ってつくっていきます。

[Type into]で株数を入力し、次の銘柄の入力に進むためにTabキーを4回クリックしますが、次のように入力するとカンタンです。


”[k(tab)][k(tab)][k(tab)][k(tab)]”

つくってみると、指示する内容は[Type into]など限定的で意外にシンプルだと気づきました。

UiPathをはじめてやってみるなら、この財産評価システムへの入力はやりやすいという印象です。

相続税の申告をするなら一度やってみていただければ。


【編集後記】
昨日は午後から相続税の申告のために現地で物件調査。現場に行くとやっぱり机上ではわからないことがわかります。雨が降ってきましたが、そのまま決行し、評価減できそうな項目を見つけてきました。週明けに役所に行きます。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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