『いくら贈与すればいいのか?』をExcelで計算 相続税→贈与税・VLOOKUP関数

Excel

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いちばん確実な相続税対策であるコツコツ贈与。

とはいえ、「いくら贈与したらいいのか?」これをExcelでざっくり計算してみました。

いくら贈与したらいいの?

相続税は亡くなった方の財産にかかる税金です。

過去は100人いたら4人といわれていた相続税ですが、平成27年の改正を境に現状は100人いたら8人の人に相続税がかかるといわれています。

つまり、より相続税に目を向けるべき人が増えたということになります。

通常、相続対策と言われるのは次のようなものです。

相続対策といえば…

  1. もめない(分割協議)
  2. 払えるか(納税資金)
  3. 相続税を減らす(節税)

「もめない?」、「払えるか?」を優先するべきですが、かといって、「払えるか」という納税資金のことがある以上、やはり相続税額のことも考慮しておきたいところです。

その相続税をいかにして減らすか?

一番効果があるのは、やはりコツコツ毎年贈与をしていくことです。

贈与税には、高いというイメージがあるのですが、毎年110万円以下の贈与なら、贈与税はかかりません。

ただ、状況によっては、ちょっと早いスピードで財産を移転したいケースも。

ただ、その場合でも財産の移転スピードはゆっくりです。

例えば、5年間贈与するとした場合、

  • 毎年100万円の贈与なら100万円×5年=500万円
  • 毎年300万円の贈与なら500万円×5年=2,500万円

と、移転できる財産額がかなり違ってきます。

その代わり、300万円で贈与した場合、財産をもらった人は(高速料金として)1年ごとに贈与税19万円を払う必要があります。

「贈与税は高いのになぜ払うか?」を知りたければ東京に行ってみる

2018.03.28

コツコツ贈与がいいというポイントは、贈与した財産のうち、相続税の計算に積み上げになるのが、相続開始前3年以内の財産だけということです。
(この場合、払う相続税から贈与税のうち一定額を引けます。)

 

つまり、相続開始前3年より前に贈与した財産については、相続税の計算に含まれず、贈与税を払うだけということになります。

 

補足
そもそも相続や遺言で財産をもらっていない人への贈与なら3年以内でも相続税の計算に含まれません。

このことから相続税との関係で、あえて贈与税を払っておいたほうが、相続と贈与トータルでは有利になるというケースがあるわけです。

『いくら贈与したらいいの?』

そんな話から「いくら贈与したらいいの?」という疑問がわいてきます。

ざっくり言うと、「相続税の実質税率≧贈与税の実質税率」となるような金額を贈与すればいいことになります。

 

相続税の実質税率 = 相続税額/財産
贈与税の実質税率 = 贈与税額/贈与金額

 

そうなると、結局は相続財産がいくらあるかがわからないと、「いくら贈与したらいいのか?」その最適な金額はわかりません。

 

そこで、まずは相続税の概算を計算し、「相続税の実質税率≧贈与税の実質税率」となるポイント、「贈与分岐点」を探すということになります。

Excelで贈与金額の分岐点を探してみた

分岐点をとなる贈与金額については、Excelを使ってざっくり計算することができます。

例1
前提として財産2億円、相続人が3人、配偶者と子2人とします。

相続税額の概算を計算

C3セルで相続税の課税価格を2億円と入力すると、右側の速算表をもとに相続税を計算します。

それをもとに、セルF23で相続税の実質税率を計算しています。

相続税の実質税率

相続税の実質税率=相続税額/相続税の課税価格

 

相続税や贈与税のExcelでの計算、もう少し詳しくという方については、こちらの記事が参考になるかと。
法人税、所得税、消費税、相続税、贈与税。税金の計算に使うExcel関数。ROUNDDOWN・INT・MIN・MAX・VLOOKUP

贈与金額ごとに贈与税と実質税率を計算

下の方では、贈与金額ごとに、速算表をもとに贈与税額を計算。さらに贈与税の実質税率を計算します。


贈与税の実質税率

贈与税の実質税率=贈与税額/贈与金額

贈与分岐点については、贈与税の実質税率が相続税の実質税率を超えないところの税率をVLOOKUPで探し出して、贈与金額を抽出するという流れです。

直系か?それ以外か?

贈与税の税率は、2段階です。

直系尊属(祖父母や父母)から贈与した年の1月1日時点で20歳以上の人(子や孫)に贈与した場合にと、それ以外とで使う速算表が変わります。

「直系」か「その他」をリストで選択できるようにしています。

リストは、データ→データの入力規則で入力値の種類をリストにして、元の値に直系とその他を入力します。

このとき、「,」で区切るのがポイントです。

アクセスキーで操作
「Alt」→「A」→「V」→「V」と順番にクリックしてみましょう。

速算表から贈与税額を計算

速算表から贈与税を計算します。

基礎控除後の金額というのは、後述の税金計算の数式がさらに複雑になるので、いったん基礎控除後の金額を計算して、ワンクッションおいています。

MAX(0,C30-$C$30)で0と「C30-$C$30」のどちらか大きい方を、という算式です。「$」はF4で固定するということです。

税額の計算は少し複雑ですが、VLOOKUP関数を使うことで計算できます。

セルE30には、少々複雑ですがこういった式を入れています。

意味は、「もし、直系からの贈与なら「直系」の速算表で計算して、それ以外なら「その他」の速算表で計算してほしい」としています。

VLOOKUP関数の最後、TRUEとしているのがポイントです。

Falseだと絶対一致、TRUEだと近似一致で検索値以下となるデータを抽出します。

詳しくはこちらの記事で。

VLOOKUP関数は使わないと損 超基本から疑問点までひととおりおさらい

2018.09.01

VLOOKUPを使って贈与金額『いくら贈与すればいいか?』を抽出

「いくら贈与すればいいのか?」

今回知りたかった贈与金額をVLOOKUP関数を使って、セルF43に抽出しています。

VLOOKUP関数はここまで見てもらったとおり便利なのですが、ただ、検索値がいちばん左じゃないと機能しないという特性があります。

このままでは抽出できません。

そこで、贈与金額の左側、B列に税率を複写して、いちばん左を税率にして検索値にできるようにしました。(うすく表示してあるところです。)

その上で、式は次のようにしています。

相続税の実質税率を検索値として、それを赤枠で囲った範囲、つまり贈与税の実質税率の中から探して、相続税の実質税率以下の税率になるような贈与金額を抽出、それをセルF43で表示させています。

結果、300万円となります。

 

ポイントは税率を一番左に表示して、VLOOKUPを使えるようにすることでした。

別のパターンでもやってみます。

 

例2
4億円の財産で相続人が3人、配偶者と子2人とします。

相続税の実質税率は11.52%、これに最も近い贈与税の実質負担率を探してみると、実質負担率が11.3%で贈与金額600万円。

600万円贈与して、贈与税を払っても相続税とトータル考えると有利ということです。

「いくら贈与すればいいか?」ざっくり計算ならこれで十分でしょう。

Excelは仕事を通じてアウトプットするには最適です。一度やってみていただければ。

 


【編集後記】
昨日はお客様訪問。月次の確認と今月やるべき手続きの確認などを。戻ってからブログでした。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
とある依頼


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