節税したいというのであれば、手もとのお金とよく相談するべきです。
行きすぎた節税で失うものもあります。
税金を払いたくない!
フリーランスや個人事業主の場合、毎年1/1〜12/31までが税金の計算対象になります。
なので、年末近くになると、税金のことが気になり、そわそわ…。
「どうしようか、小規模企業共済はもう掛けてるしな〜。」
利益が出そうだとわかった途端に「なら車、買うか。」なんて言い出すことも。
税金を払いたくないという気持ちはわかります。そりゃあ、税金は少ない方がいいですし。
でも、本当に必要なものなのかどうかはよく考えるべきです。
税金を払いたくないからと、行き過ぎた節税をすれば失うものもあります。
税金を減らすために行動してみたら…?
「節税!節税!」と税金を減らすためだけに行動してみたらいったいどうなるのか?
いくつか見てみましょう。
通常、個人の場合、「所得」に対して税金がかかります。いわゆる「もうけ」。わかりにくいので「利益」とします。
忘年会で派手にお金を使う
「利益がたくさん出たから、みんなで忘年会してパーッとやるかぁ。」
利益が出るので、みんなにおごりで高級店で忘年会。
結果、接待交際費として必要経費にして。利益は減って、税金も減った。「めでたし、めでたし」
…残念ながら、そうはなりません。
じゃあ、忘年会をやった後の手もとの残ったお金はいくらになるのか?
忘年会をやって出ていったお金は500。税金100を節税できました。
一方で、忘年会をやらなかったら?税金で100出て行くけど、お金は400残ります。
仮に税金が200でも300は残るわけです。
何もしなかった、つまり税金で精算した方がお金は残っていたことになります。
「接待交際費は売上に貢献する!」なんて思う人もいるかもしれませんけど、接待交際費が倍になったら、売上も本当に倍になるのか?
そんなことはまずないでしょう。
ちなみに、この忘年会に参加した人が家族や仕事に関係ない人ならば、そもそも経費にもならず。
この視点は保っておくべきです。
年末近くに車を買う
よく聞く話。車を買うと節税になるとか…。
でも、車を買ったとしても、車の購入代金が全額経費になるわけじゃないです。
減価償却費といって、車の購入代金の一部だけが必要経費になるだけ。
個人の場合は定額法なので、毎年同じ金額だけ経費になるのですが、年末に買っているので、1年目、必要経費になるのは年間の減価償却費の1/12だけです。
節税できるのは、さらにこの減価償却費に税率をかけた分だけ。
節税できる金額はここでもわずかです。
またここでも、大きなお金を失いました。
こんな感じで本当に必要でもないもののために、お金を払うと節税どころか大きなお金を失うことになります。
お金を増やすためには税金を払うことが必要
もちろん、節税も事業を継続するために必要なことです。
私も節税はしています。
ただ、節税には、お金の支出を必要とするものが多いです。
小規模企業共済や倒産防止共済もお金が必要ですし。
なので、手もとのお金をよく見て、余裕資金の範囲内でするべきです。
もし、その年に医療費などプライベートで大きな支払いがある場合、そのお金も節税のお金もきちんとまかなえるのか?
行き過ぎた節税は、かえってお金を減らすだけです。
そんなことも考えておく必要があります。
仮に節税できるとしても、それだけお金も必要。
結局、個人の場合、事業とプライベートをトータルで考えておくべき。
そして、前述のように個人でも、会社でも税金をある程度払わないとお金が貯まらないようになっています。
こんな観点で、節税とお金のバランスを考えてみましょう。
大事なのは、税金を払うとしても、いくらを払うのかということ。節税はそれを決めるための一つの手段です。
その判断をするためにも、毎月の経理はコツコツやっておきましょう。
何も判断材料がなければ、検討もできませんので。
【編集後記】
今年のお客様の訪問も明日で終わり。その後は用事をこなしながら、自分の仕事もする予定です。もちろんブログの更新も仕事の1つという位置付けです。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
DREAM HILLのアイス