贈与をするときには、贈与契約書をつくったほうがいいと聞いたことがあるでしょう。
実際、贈与は口頭でもできますが、やっぱり契約書はあったほうがいいというのが結論です。
わざわざ契約書をつくったほうがいい理由をお話します。
贈与は口頭でもいいけど…
贈与はあげるほうの一方的な意思表示で、できるわけではありません。
「あげる」はもちろん「もらう」というお互いの意思表示があってはじめてできる契約です。
「贈与をするときには、贈与契約書をつくりましょう」というのをネットで見たり、聞いたりすることもあるわけです。
とはいえ、贈与は契約書がないとできないわけでもありません。
実際、口頭での「あげた」「もらった」という意思表示だけでも贈与はできます。
では、なぜ契約書があったほうがいいのか、その理由をお話します。
贈与をするのに契約書が必要な理由
贈与契約書をつくったほうがいいのは、次のような理由からです。
もめないため
相続対策には、「もめない」「払えるか」「相続税の節税」の3つがあります。
何よりももめないことが最優先です。
近い関係であっても、こと相続になれば意思疎通がうまくいかなくなることもありますから、そのもめないための対策は必要です。
で、その「もめない」という視点は贈与でも同様です。
口頭だと後になってから「言ったっけ?」「言っていないよ」ということもありえます。
でも、契約書があればそうはなりません。証拠が
お互いに安心感をもつための契約書であるといえます。
撤回できない
先程、贈与の契約は口約束でもできるという話をしました。
ただ、贈与の意思表示をしたのに、あとになってどちらかが「やっぱりやめる」という結果になることもありえます。
で、口頭ならこれができてしまいます。
契約書をつくれば、撤回することができずお互いの言ったことを守ることができます。
税務調査があったら?
これがいちばんの理由です。
お互いに合意して贈与をしたあと、しばらくしてからその贈与が日の目を浴びることがあります。
1つは相続税の申告のタイミング。
親族の口座にお金の移動があったとき、その移動がどんな理由なのかはっきりしないことがあります。
贈与なのか、借りたお金の返済なのか、それとももらった側が知らないお金なのか。
そんなときに贈与契約書があれば、贈与があったことははっきりわかります。
もう1つは相続税の税務調査のタイミング。
税務署がこれは贈与じゃないのでは?と怪しんで調査に来るわけですが、その場合にも贈与契約書があれば、贈与があったことの証拠になります。
ただ、もらった側が「もらった」と認識していることが前提にはなります。
もらった側に「もらった」という認識がないと、「それは名義預金じゃないの?」と疑われることにもなりますので注意しましょう。
お金を贈与するならこの手で
贈与をするときには、次のような点に注意しておきましょう。
- 契約書をつくっておく
- お互いに合意する(サイン)
- お金なら振り込みする
- 必要なら贈与税の申告をする
特に注意したいのは、お互いに知っていること。
あげる側が勝手にお金を振り込んで贈与税の申告をしていたとしても、もらった側が知らないでは贈与にはなりません。
また、毎年同じ額の贈与をしていたら、「はじめから同じ金額を◯年間贈与すると決めていたのでは?」と疑われることにもなります。
年金扱いになり、最初の年に総額の贈与があったとされます。たとえば、10年に渡ってわたすと最初に契約していれば、それだけ贈与税も高くなります。
そういうのはレアケースかと。
毎年の贈与で契約書を残しておくことで、「最初から10年分約束していたわけじゃないよね」といえます。
もし、毎年贈与していたとしても、その都度に贈与の契約をしていたという証明ができればいいわけですから。
年金扱いになることはありません。
連年贈与とされない贈与を実行する場合に抑えておきたいこと – GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
最後に契約書への名前はできるだけ自署にしておきましょう。自署であれば他の人が勝手に…ということもありません。
筆跡を見ればわかりますから。
ということで、贈与をするときにはわざわざ契約書をつくっておいたほうがいい、という理由についておはなししました。
参考になればうれしいです。
贈与契約書のサンプルはこちらにあります。
贈与をするなら贈与契約書をつくる その前に確認しておきたい5つのポイント – GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
【編集後記】
昨日はオフ。友人のところに家族で会いに行きました。長男(7)jは初めてでアウェイ感を味わっていましたが、その後割と早めに打ち解けていました。その後公園にもいっしょに。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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