手数料を引かれて入金される場合のクラウド会計の設定例。その前に考えておきたいこと。

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経費を引かれてお金が振り込まれるということもあるでしょう。

その場合のクラウド会計の設定方法をマネーフォワードを例にまとめてみました。

目次

クラウド会計は学習してくれる?

クラウド会計では、いろいろなデータを連携してくれます。

ネットバンクやクレジットカードの明細、Amazonなど。

データ連携ができれば、イチから入力する必要はなく、その点ではメリットがあるでしょう。

もう1つ、クラウド会計で「売り」とされているのは、学習機能。

「クラウド会計ならほったらかしで大丈夫」とは、よく言われますが本当にそうか?といえば、そうではないでしょう。

間違った設定をしていれば、間違った学習をしてしまいます。

クラウド会計の学習機能のキモは、連携されるデータに記載されている明細です。

ネットバンクなら、連携されるデータにある入金元や振込先の情報。

「デンキダイ」とあれば、「水道光熱費」の科目をクラウドが提案してくれるわけですが、これは「デンキ」とあったら「水道光熱費」と反応するように設定されているからでしょう。

だから、会社名や「Stripe」などの決済手段が表示されているような場合は、クラウド会計で判断ができず全然違う科目が提案されることがあります。

もしセミナーに参加したという場合なら「研修費」と正しい科目にしてから登録する必要があります。

ということがあり、クラウド会計が提案しているからこれでいいか、とそのまま登録すると、あとで大変な状況になり、修正をしないといけないということがあります。

結局、クラウド会計をほったらかしにはできない、ということになります。

ただ、その機能を活かすことはありです。学習機能をじぶんで設定をすることができます。

手数料がマイナスされて入金されるケースのクラウド会計の設定

今回は、テストという会社から110,000円の売上代金が振込手数料(880円)を差し引かれて入金(109,120円)された場合を考えてみます。

通常は、

普通預金 109,120 /売掛金 110,000
支払手数料  880

という仕訳になるわけですが、このとおりに仕訳をしようとすると、自動化につながりません。

クラウド会計では、次のように設定してみます。(いろいろやり方はあるでしょうが)

普通預金 109,120 / 売掛金 109,120
支払手数料  880 / 売掛金   880

という仕訳になるようにします。売掛金を分けるわけですが、数字への影響は変わらず問題ありません。

マネーフォワードクラウドの場合、「自動で仕訳」→「自動仕訳ルール」

GOforIT 9

単一自動仕訳ルールのタブか、複合自動仕訳ルールのタブのいずれかを選ぶのですが、今回は「複合自動仕訳ルール」を選びます。

GOforIT 10

明細の一致条件を設定しておきます。完全一致は一文字でも違うと機能しないので、今回は「部分一致」を選択。

GOforIT 5

預金に入金される金額で仕訳をしたいので、金額部分には「明細の金額」を設定。

GOforIT

2行目の仕訳で、差し引かれる手数料の金額で仕訳をします。このとき差し引かれる金額が決まっているなら、「指定した金額」を選ぶと、その下に金額の入力欄が表示されるので、そこに金額を入力します。

GOforIT 8

これで、もし売上金の入金があったとき、109,120円で入金された場合は、

住信SBI 109,120 / 売掛金(テスト) 109,120
支払手数料   880 / 売掛金(テスト)      880

という仕訳が表示されることになり、110,000円の売掛金の残高はキレイになるはずです。

もし、手数料の金額が毎回違う場合は、連携時に金額を変更するか、ひとまず「指定なし」にしておき、連携されたタイミングで2行目の金額をその都度入力することになりますが、それでも仕訳をつくる時間は減らせます。

一例ではありますが。こういうルールをクラウド会計任せにしないで、じぶんでつくって、ときにはルールがかぶらないように整理しておくと、経理の手数が減らせるようになります。

手数料を引かれないようにする

例に挙げたように、売上のお金を入金してもらうときに手数料を引かれて入金されるというのは、よくある話なのですが、その理由を聞くと「前からやっているから」といった声があります。

ただ、手数料を引かれて振り込まれるということは、値引きをしていることと同じ話です。

なぜそうなっているか、たいていは請求書にその意思表示がされていないわけです。

請求書に記載しておきましょう。請求書にたとえばこんな感じで。

GOforIT

メールを送って振り込んでいただく場合にも同じように。

GOforIT

その記載がなければ、先方は「A社もそうしているし、いいか」となり、さらにそのまま放置して今に至る、ということになるわけです。

気づけば、かなりの値引きをしていたことになります。気づけばですが…。

「お世話になっているから」という気持ちがあるかもしれませんが、それはそれ、これはこれでしょう。

しっかり仕事をする以上は、仕事をしていただくお金は大事にしていきましょう。

今回は、振込手数料の例だったのですが、同じように経費を相殺して入金される場合、源泉所得税をマイナスして振り込む場合などは、同じように設定すれば経理の負担は減らせます。

こういう記事も書いています。

フリーランス・ひとり社長がクラウド会計を使うなら知っておきたい 自動仕訳パターンの考え方 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog


【編集後記】
昨日はオフ。長男(6)と2人で家で留守番。遊んだり、とあるトレーニングをしたりでした。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
和食さと 牛すき焼き定食


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