「利益があってもお金が増えているとは限らない」真っ先にチェックしてほしい3つの科目

  • URLをコピーしました!

利益が増えているから、お金も増えているか?といえば、残念ながらそうではないケースもあります。

目次

「利益があるのにお金が増えない」のなぜ??

利益はでているのに、お金がなかなか増えていかない、むしろ減っていることも…なんて話を耳にすることがあります。

「お金を増やすには、まずは利益を出すことが大事」とも言われます。そのことについては確かにそのとおりです。

ずっと赤字なのに、お金がどんどん増えていくなんてのは聞いたことがないですから。

ただ、「この利益があるのにお金がない」について。

実は損益計算書の利益だけをじーっと見ていても、答えは出てこないんですね。残念ながら。

 

補足
損益計算書というのは、決算書のうち「売上-経費=利益」が載っているアレです。

なぜならば、売上や経費になる取引以外でもお金の動きがあるからです。

その原因は、損益計算書ではなく、もう1つの貸借対照表を見るとわかります。

お金がふえているか?減っているか?は、貸借対照表の現金預金の前月末と当月末の差額(増減)を見ればわかります。

同じように、貸借対照表に載っているそれ以外の科目で、どこかで増えたり、減ったりしているものがあるはず。

そこにお金が増えない原因があります。

お金が足りない原因として最初にチェックしてほしい科目3つ

お金が増えていかないと感じる場合、次のような科目の増減をチェックしてみましょう。

例えば、前月と当月、前期と今期で比べて増えているか?減っているか?という感じです。

借入金の返済額が大きい

よくある理由の1つは、借入金の返済額が大きいこと。

通常、借り入れをしたら、借りっ放しではなく、返済する必要があり、その返済のもとになるのが、利益です。

 

補足
税引後利益+減価償却費をざっくりの返済原資と考えます。

貸借対照表で借入金残高がいくら減っているか?を見ると、年間(毎月)の返済額がわかります。

たとえ、利益が出ていても、借入金の返済額が大きければ、お金がほとんど残らないということもあり得ます。

利益が100あっても、返済額が150であれば、そりゃあ、お金は増えません。

下のような状態だったとします。↓

 


税引後利益100+減価償却費20<借入金返済額150

この場合に差額の30をどうやってカバーするか?

たとえ、利益が出ていなくても、返済日は毎月やってきます。

その場合には、新たな借入れをするか、もしくは手元の預金で返済することになります。

この光景は、損益計算書で利益を見ていてもわかりません。だから、利益だけ見ていても答えは出ません。

どうやって利益を増やすかを見直したり、あるいは借入金の返済を見直しするといった策が必要です。

借入金を年間いくら返済しているか知ってる? ざっくりチェックする方法 | GO for IT 

銀行からお金を借りたいならいい決算書にしておくのが大事! | GO for IT

売掛金が増えている

売掛金というのは、売上の入金予定額を意味していますが、予定通りに入金がなかったり、それが何度もあると、どうなるか?

売掛金の残高は増えていきます。

通常、売掛金の入金が翌月末だとすれば、翌月には入金されるので、売掛金は減ります。で、当月に売上げた分は増えます。

となると通常は1〜2ヶ月分程度の未入金しかないはずです。

ところが入金がないと、売掛金の残高は増えます。入金があるまでお金に変わりません。

ということで、毎月入金があったかどうかのチェックは欠かせません。

さらに、売上が増えた場合には、支払いも増えることが多く、売上のお金が入金されるまでに支払いに使うつなぎのお金も必要になることがあります。

だから売掛金が増えたときはお金の対策が必要です。入金がちゃんとあるか?融資を受けるか?というようにです。

売上の入金がないときにフリーランスがやったほうがいいこと | GO for IT 

売上のルールは「売ったらスタート お金をもらったらゴール」 | GO for IT 

在庫が多すぎる

仕入れて売る、を繰り返すことからも、売掛金とも深い関係にある在庫。

商品や製品を売る仕事では、売れ残りの在庫がたくさんあって、お金がないということはよくあります。

例えば、仕入先が「まとめて買ってくれたら、さらに値引きしとくよ」という、いわゆるセールをしていた場合、値引きに惹かれて、ついつい必要以上の在庫を買ってしまうといったことが原因。

でも、在庫は買ったら経費になるのではなく、在庫は売れたときに売上とセットで経費(売上原価といいます。)になるものです。

売れない時点では、まだじぶんのところの大事な資産。貸借対照表では「商品」や「製品」という科目の残高になっています。

売って早くお金に変えたいけど。まとめ買いで明らかに在庫多すぎ。ではなかなか売れません。

結果、お金に変えたくても在庫がいつまでたってもお金に変わりません。そのうちブームも去って…。

ということで、在庫の増えすぎにも要注意です。

在庫管理をABC分析で効率化する 商品在庫を上手にお金に変えよう | GO for IT

大事なのはむしろ貸借対照表 残高の動きをチェックしてみよう!

利益が出ているのに

  • 「お金が足りない」
  • 「お金が増えない」

その原因は、貸借対照表にあることも多いです。

貸借対照表と聞けば、その言葉だけでげんなりするかもしれませんが、残高がどう増えたか?減ったか?

それをチェックするようにしていれば、早めに気づいて対策ができます。

  • 未入金の得意先があるとわかったら、早めの入金をお願いする
  • お金が足りなくなりそうなら、つなぎのお金を銀行から借りることも検討する
  • 在庫は多く持ちすぎない
  • 借入金の返済の見直しを検討する(借り換え、おまとめなど)
  • 使わない資産があるから、売ってお金に変える

逆に残高をチェックしていないと、やっぱり「利益が出ているのにお金がない」になる可能性が大きいです。

 

貸借対照表の残高の動きをチェックしてみましょう。(前月と当月、前期と当期といったように)

必ずしも数字の増減だけでチェックから見るのではなく、一度図にして森を見てみるというのもおすすめです。

貸借対照表のイメージ図をExcelで作ってみた 前期以前と比較すれば見えてくることがある | GO for IT 


【編集後記】
オリンピックは残念ながら落選…。わずかながらの希望を持っていましたが、競争率が高すぎて、いよいよ自宅で観戦の匂いがしてきました。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
ラーメン東大 天白店


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次