相続の直前に預金口座からお金を引き出した…なら知っておきたい注意点

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相続の直前に引出したお金は、なにげなく引出していることが多いのですが、注意も必要です。

その注意点についてお話します。

目次

相続の直前に大きなお金が引出されているという光景

相続税の申告の仕事では、亡くなった方の預金通帳を確認させてもらうようにしています。

通帳をみると、お金がどう動いているかがわかるからです。

通帳からわかることはいろいろあるのですが、よくあるのが相続開始直前に大きなお金を引出しているというもの。

わりと高い確率で見ることがあります。

たとえば、3月3日に相続があったとすると、その直前に引出しをしているわけです。

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どうして相続開始の直前に大きなお金を引出しているのか?

それは、じっさいに相続があったのあとの話があるからです。

相続の直前に相続人がお金を引き出すワケ

亡くなる人の生活費を引出したり、代わりに支払い処理する、といったように相続人の方が亡くなる方の預金からお金を引き出しているということがあります。

その延長で相続の直前に大きなお金を引出しているという場合、次のような理由が考えられます。

葬式代など、なんだかんだとお金がかかる

相続があると、いろいろお金がかかるものです。

葬式代やお坊さんへのお布施、食事に交通費など相続があってから出ていくお金は多いです。

そして、必要になるのはわりとすぐです。

そうなると手もとにお金がないとなにかと不安になるものです。

もし、相続があったことを銀行が知ると、銀行は口座を凍結するのです。「口座を閉めさせていただきます」と。

だから、そうなる前に相続がある直前にお金を引出しているのが実情です。

参考までに、現在は相続後でも一定額はお金を引き出すことができるのですが、まだまだ知られていないのが現状。

預金の仮払い制度で預金の凍結後でも一定額までお金を引き出せるように(民法改正) | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog

もう少し時間がかかりそうです。

預金にお金がなければわからない

いっぽうで、預金残高に相続税がかかるというのを知っていて、「じゃあ、相続の前にお金を引出しておけば…。」と考える方も一定数はいらっしゃるようです。

これについては多くを語りません。なにしろ、わたしのこれまでのお客様ではいなかったので。

ただ、この記事を見ている方でそう考えている方がいらっしゃるなら、絶対に「バレる」からやめておいたほうがいい、ということだけ伝えておきます。

相続の直前の引出したお金はどこに?

相続の直前にお金を出している場合、そのお金がどこに行ったのか?というのをチェックしておく必要があります。

この直前に引出したお金はそのまま残っていることが多いですし、使っていても大きなお金を引出していれば残高があるのが普通です。

相続税の申告が必要なら、相続財産にしないといけません。これは税務署がいちばんチェックしているやつです。

相続税がかからないとしても、現金として分割協議の対象になる財産になるので、相続税がかかるかどうかに関係なく、確認をしておくべきでしょう。

なお、もし何か大きな買い物をしたというのであれば、何かしら別の財産に変わっているはずなので、それが相続財産になります。

通帳を見れば、大きなお金が引き出されたことは明らかですから、それが現金のまま残っているか、使っていてもそれなりの金額。他の財産になっている可能性が高いわけです。

それを忘れずにチェックしましょう。

ということで「相続の前にお金を引出しておけば…。」という安易な考えはやっぱりやめたほうがいい、ということになるわけです。

相続の直前に引出しをしたお金の取り扱いは注意です。


【編集後記】
昨日は法人の決算を中心に。長男(5)がサッカーでボールをとられても取り返しに行くようになったようです。前はボールを取られたらそのまま見ていたので。なんだかんだで教えたことはやっているみたいです。またいっしょにボール蹴りたくなりました。まずは土曜日の運動会です。今度は雨が降らないことを祈りつつ。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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