相続財産に上場株式があるならチェックしておきたい配当金・端株

相続税

相続財産の1つである上場株式。

残高証明書だけを見ていると、うっかり相続財産からもらしてしまう財産があります。

「裏で何が起きているのか?」を考えてみると、正しく把握できます。

上場株式は相続財産

相続財産には、いろいろなものがありますが、ざっくり言えば、お金に変えられるものなら相続財産になります。

なかには、中小企業の会社の株のように、売れないけど財産になるものもありますが。

相続財産の1つ、上場株式。

この上場株式は、中小企業の株式と違って市場があって、時価があります。

評価方法は、「1株当たりの時価×株数」なのですが、この「1株当たりの時価」は、次の4つのうちから最も低いものを選べることになっています。

上場株式の1株あたりの時価
  1. 相続日の終値
  2. 相続日のあるの毎日の終値の平均額
  3. 相続日のある月の前月の毎日の終値の平均額
  4. 相続日のある月の前々月の毎日の終値の平均額

株式自体の評価は、一見シンプルなものですが、たくさん上場株式を持っている被相続人であれば、評価するのはそれなりに大変ですし、確認するべきは株の評価額だけではないということに注意する必要があります。

UiPathにExcelから上場株式の評価明細書への入力をお願いしてみた | GO for IT 

補足
話をシンプルにするために、権利落ちなどは無視します。

株を評価してもまだ足りない理由

上場株式の株数は、証券会社の発行する残高証明書で確認できます。

残高証明書を証券会社から入手すれば、そこに証券会社が管理している株数は記入されています。

スクリーンショット 2019 08 07 16 35 37

この株数(5,000株)に評価単価をかければ、相続税評価額になります。

残高証明書だけを見ると、これで終わりなのですが、この話には続きがあります。

配当金があるのでは?

中小企業ならともかく。

上場していれば、配当金を出している場合があります。

通帳を見れば、配当金の入金があってすぐにわかるのが通常です。

ただ、すでに口座が凍結されていると、通帳には記帳されていなくて、すぐにわからないというケースもあります。

該当があれば、配当金の計算書が届いているはずですし、上場企業なら「決算短信」というのを出しているので、それで配当金を出しているかどうかも確認できます。

スクリーンショット 2019 08 07 17 44 51

この配当金のうち、相続開始日で未入金の場合、税金を引いた後の手取り額も相続財産になります。

 

補足
支払日が2019年11月30日なら「未収配当金」という財産になります。申告書に載っているかどうかは確認しておきましょう。

配当金の単価実績と一致しない? 端株(はかぶ)があるのでは…?

通帳に入金されている配当金は、税金(20.315%)がすでに引かれたものです。

配当金の税引き前の配当金額を確認します。配当金計算書に記載されています。

配当金計算書
  1. 配当金  228,330円 ①
  2. 税額合計   46,384円 ②
  3. 支払金額 181,946円(①-②)

もし、配当金の計算書がなくて、わからない場合は、次のような計算で税引き前の金額に割り戻して逆算します。

Excelで計算するのも手です。割合は違いますが、この考え方で計算すれば早いです。

フリーランスが売上入金の仕訳をするときにはExcelのゴールシークを使って逆算してみる! | GO for IT 

入金額を逆算して計算すると?

181,946円÷(1-20.315%=79.685%)=228,330円

次に、この税引き前の配当金を株式数で割ってみましょう。

 

正しければ、単価は1株当たりの配当金額と一致するはずです。

ところが、配当金を株式数で割り算してみると、

 

228,330円÷5,000円=45.666円 → 配当金の単価45円と一致しない?

という感じで、割った結果、配当金の単価にならないというケースがあります。

この場合、理由の1つとしては、端株が存在するケースがあります。

補足
端株とは、1株未満の株のことです。端株は通常の取引では発生しません。主に、株式分割や会社の合併などがある場合に発生するものです。例えば、株式分割で1.2倍になった場合、1株保有→分割後の株数1.2株になるなど。

この端株は、証券会社の残高証明書には、載ってこないことがほとんど。

この端株は特別口座に残っていて、残高証明書は、証券代行からもらうことになります。

スクリーンショット 2019 08 07 17 34 08

すると、特別口座には74株があるとわかります。

この端株を含めて、再度配当金を株数(株数5,000株+端株74株)で割ってみると、

228,330円÷5,074株=45円 → 配当金の単価45円と一致

という感じで一致します。

ということで。証券会社の残高証明書だけでは、決してわからないネタがそこにはあります。

裏にあるストーリーを考えてみる

相続財産をすべて拾わないと、相続税は正しく計算されません。

結果として、相続財産をもれなく洗い出すことができません。

上場株式を評価をするときには、相続日時点でまだ未入金の配当金や端株まで含めて評価しないと、財産もれになります。

残高証明書に記載されている残高から上場株式の株数を拾えます。

一方で、上場株式の場合は、前述したように残高証明書からだけでは、拾えない財産がありあります。

  • 上場株式があるということは、決算日によっては株主総会が開催されて、配当が出ているかも?
  • もしかしたら、過去に株式分割などがあって、端株が誕生しているのでは?

と、裏でどんなストーリーがあったのか?といった仮説を立ててみるのは、相続税の申告をする上では、必要だったりします。

 


【編集後記】
昨日は午後からお客様訪問。戻ってからはブログ更新と旅行の準備などを。明け方に出発します。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
養老軒 丸ごと巨峰の大福