見えないかもしれませんが、中小企業を経営している場合、会社の株が相続財産になります。
見えない、売れないのが会社の株式で、相続財産になるとなかなか大変。早めに考えておく必要があります。
売れないのに相続財産になるもの
相続財産と言われて、どんなものが浮かぶでしょうか?
預金、上場株式、不動産、生命保険など基本的にはお金に変えられるものが多いかと。
ところが、中にはお金に変えるのが難しいのに、相続財産になるものもあります。
その1つが中小企業の株式です。
中小企業の株式は、その多くは株券自体がないため、そもそも財産という認識がない、さらに上場株式と違って市場もありません。
でも、中小企業の株式は相続財産になるものとされています。
「じゃあ、時価は?」というと、相続税(正確には財産評価)のルールで計算することになっています。
次に「払えるか?」という納税資金のことを考えてみます。
上場株式は相続税を払うときに、売ってお金に変えて納税に充てることができます。
一方で、中小企業の株式はそれができないことがほとんど。
仮に株式が3,000万円の評価だとした場合に、その分の相続税を払うためのお金も準備する必要がでてきます。
となると、なかなかの税負担になり、相続を迎える前に株を移していくことも必要でしょう。
一応、納税猶予というルールがありますが、今回伝えたいこととズレるため考慮外とします。
利益が増えていくとその裏で株価も増えるという現実
中小企業である以上、利益を出してお金を増やしていくことが必要です。
利益が増えると、貸借対照表の純資産も増えていきます。
貸借対照表を見てわからないなら、やるべきはイメージ図で見る・比較してみる
会社の株価は、この利益と純資産、それと配当をもとに計算していくことになっています。
今は配当をする会社は、ほとんどないと考えると、利益や純資産が増えると株価が上がる
ということになります。
毎年決算で利益が積み上がる→貸借対照表がよくなる→お金が増える
となるのですが、この裏でひっそりと「株価が少しずつ上がっている」というのは意外と気づかなかったりします。
単価が上がれば、相続財産としての評価額も増えますので。
逆に赤字が多いと株価は下がるといいたいところですが、逆に上がる場合もあるのでチェックしておくことは欠かせません。
「比準要素数1の会社」などのいわゆる特定評価会社に該当する場合には、赤字でも株価が高くなる場合があります。
決算対策と一緒に自社株対策を
中小企業の株式が相続財産になるのであれば、売れない財産が相続財産として積み上げられます。
そうなると、「払えるか?」の税金を払うための資金対策もより必要になります。
なので、相続前に少しずつでも後継者に株式を移していくのがおすすめです。
相続までの期間を考えると、早い方がいいのでしょうが、例えば、売買なら購入資金も必要ですし、売った場合には所得税や住民税もかかります。
贈与の場合なら年間110万円を超えると贈与税がかかります。
負担をできるだけ少なくと考えると、毎年コツコツ移転することがおすすめです。
決算があるたびに株価が増えるということであれば、決算前に利益の着地見込みを出すのと並行して、ざっくりとでも株価の見込みを確認してみましょう。
それで対策できることも多いです。
よくわからなければ、税理士にも相談してみましょう。
【編集後記】
今日は会社の株価計算と決算を中心に。最近は電子マネーで色々試しています。どこでどの電子マネーを使うか?というのに慣れも必要ですね。ローソンで買い物するの1つとっても、PayPayもLINE PayもApple Payも使えますし。
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