1次相続だけでなく2次相続の対策も必要になる理由。

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夫婦の相続は、それほど期間があかないこともあります。たとえば、夫が亡くなってから5年後に妻の相続がある、あるいはその逆も。

比較的近い時期にあると想定される2次相続について注意点をまとめてみました。

目次

2次相続とは?

2次相続というのを聞いたことがあるかもしれません。

具体的には、夫(妻)が先に亡くなった場合、その相続を1次相続とし、その後にそれほど期間があかずに妻(夫)が亡くなった場合の相続を2次相続といいます。

今は夫婦といえども、歳が離れていることも多いですが、多くの夫婦の年齢は近いもの。2人の相続が比較的短い期間である場合もよくあります。

1次相続でも2次相続でも相続税がかかることもありますし、1次相続で相続税がかからなかったのに、2次相続で相続税がかかることもありえます。

夫と妻、どちらの相続が先にあるかもわかりません。ただ、1次相続と2次相続では、相続税を踏まえた場合には状況が大きく変わります。

2次相続では相続税が増えやすくなる

1次相続と比較したとき、2次相続は相続税が増えやすいとされています。

・相続人が減るため、基礎控除額も減る
・生命保険の非課税枠が減る
・配偶者がもっていた財産を1次相続で引き継げば2次相続の財産に
・配偶者の税額軽減を利用できない

それぞれ解説します。

配偶者の税額軽減を利用できない

配偶者の税額軽減は、配偶者だけの特例です。
配偶者が引き継いだ相続財産が1.6億円(または法定相続分)までなら相続税はかからないというもの。

夫婦の相続を前提とした場合、1次相続では配偶者が相続人の1人になるわけですが、2次相続になるとすでに配偶者は1次相続で亡くなっていて、相続人は子どもや孫、兄弟姉妹になります。

2次相続では、1次相続と違って配偶者の税額軽減を利用する余地がないのです。そのため、2次相続では相続税が増える可能性があります。

非課税枠が減る

相続が合った場合の生命保険金や死亡退職金には、それぞれ非課税枠があります。

この非課税枠は「500万円✕法定相続人の数」とされています。カンのいい方は気づいたかもしれません。

2次相続では法定相続人が1人減っているのです。

たとえば、1次相続での法定相続人が妻、子ども2人の3人だった場合、非課税枠は1,500万円(500万円✕3人)です。ところが2次相続では妻が亡くなった前提なので、法定相続人は子ども2人になります。

非課税枠は1,000万円(500万円✕2人)ということです。生命保険金をかけていても、1,000万円を超える金額には相続税がかかりますから、相続税が増える可能性があります。

なお、基礎控除についても「3,000万円+600万円✕法定相続人の数」で計算されるため、やはり相続税がかかりやすくなるといえます。

2次相続でも1次相続の財産に相続税がかかる?

1次相続のとき、妻が亡くなった夫の財産を引き継ぐ場面は多いでしょう。
のこされた妻はこれから医療費もかかるかもしれず、「お金がないと困るから」とお金を相続するわけです。

ただ、妻が生前のうちに仕事をしていたり、親からの相続でじぶんの財産をある程度もっていたという場合は、2次相続での財産には、妻自身がもっていた財産に加えて、1次相続で夫から引き継いだ財産も上乗せされるため、財産額が増えることになります。

そのいっぽうで前述したとおり、基礎控除額や非課税枠が減っています。

つまり、相続税がかかりやすくなりますし税率も上がりますから、1次相続での引き継ぎ方によっては2次相続で相続税の負担が大きくなる可能性もあるのです。

1次相続だけでなく2次相続までを踏まえた相続対策が必要になるのは、こうした理由からです。

2次相続の対策も必要

1次相続で配偶者の税額軽減を利用しすぎると、2次相続で相続税の負担が大きくなってしまうケースもあり、すると相続税を払えないということにもなりかねません。

そうならないように、1次相続での配偶者の税額軽減をどこまで利用するか、事前のシミュレーションが欠かせません。

そのうえで、

・2次相続でどうなるかをある程度踏まえた上で1次相続で財産をわける
・1次相続から2次相続までの間に生前贈与や生命保険など相続対策をする

といった対策が必要です。

とはいえ、節税を前面に出した対策ではもめる結果になりますし、2次相続がいつあるかがわからないから、対策もカンタンではありません。

だからこそ「もめない」ことを前提に、生前のうちに1次相続だけでなく2次相続までを想定した対策をしておくことが大事です。

相続があってからでは、どうにもならないこともありますので。


【編集後記】
昨日はオフ。朝から岐阜県の郡上八幡方面へ家族+姪の5人でドライブ。妻の希望で流しそうめんを食べに。長男(9)がお腹いっぱいになった後でも、「そうめんとろうか?」といってわたしのお椀にがっつりと。流しそうめんをとりたかったんでしょうね。その後は阿弥陀ヶ滝で写真撮影も楽しみつつ、さんぷる工房へ。姪といっしょにスマホスタンドをつくって楽しそうでした。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
阿弥陀ヶ滝
阿弥陀ヶ滝荘
さんぷる工房


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