不動産の評価をするときに役所で確認するような不動産の情報をネットでも確認することができます。
これから不動産の評価をやってみたいという税理士の方向けにまとめてみました。
相続税の土地評価
相続税の申告をとき、財産の評価が必要になります。
預金や株式、生命保険など財産があるわけですが、それらは証明書をもとに評価することができます。
資料さえあれば、机上で評価することができるわけです。
ところが不動産はそういうわけにもいきません。
現地を見ないとわからないこともあるからです。
机上では絶対にわからないことは次のようなことです。
・現地に行ってみたら踏切の音が響いていた
・図面では平面の土地だったのに現地に行ってみたら傾いた土地だった
・道路の幅がせまかった
・異臭がした
・宅地に鳥居があった
そうした情報があれば土地の評価を下げることができます。
いっぽうで、現地に行く前にもネットである程度の土地の情報を知ることもできます。
昔は役所や法務局に行かないとわからなかった情報が今はネットでわかります。
ネットからわかる不動産の情報
ネットで調べることのできる不動産の情報、次のようなものがあります。
順不同で挙げてみました。
路線価を知りたい
土地を評価するなら、路線価を確認する必要があります。
路線価を調べるには、国税庁HPの路線価図があるのですが、土地がどの道路に接しているか目で追う必要があり、わかりにくいです。
しかも、地図がつづいておらず、ページごとに分断されているため、さらに使いにくいです。
そこで使っているのが、全国地価マップ。
住所、番地での検索ができるので、
場所の特定がしやすいです。
地図上に「+」マークがつくので、路線価もサッと確認できます。
デメリットがあるとすれば、最新年の路線価の反映が少し遅れるということでしょうか。
通常、その年の路線価は7月1日に国税庁のHPに公表されますが、同じタイミングでは反映されません。
ただ、それほど遅くないタイミングで全国地価マップにも反映されますので、さほど問題にはならないかと。
近隣の売買実例をしりたい
近隣の土地がいくらで売れているか、最近の取引事例を知りたいというなら、国土交通省の「土地総合情報システム」で探してみましょう。
該当の市区町村の地図から条件指定をして、「この条件で検索」をクリックすると、
売買実例の情報を確認できます。坪単価や取引額、面積なども確認できます。
現地の雰囲気を見ておきたい
現地の雰囲気を事前に確認しておきたいという場合には、Googleマップで見ておきましょう。
特にストリートビューでは現地の雰囲気もわかりますので、事前に調べるという点では使えるかと。
ただ、相続税の申告で土地の評価をするなら、現地に行くのをおすすめします。前述したように現地に行かないとわからないこともあるので。
不動産の登記情報を知りたい
不動産の登記簿謄本の情報、公図、地積測量図は「登記情報提供サービス」で入手できます。
土地や建物の地番や家屋番号から検索ができます。
ときどき地番と住所があわないというケースもあります。そのときはログイン後に所在指定してから「地番検索サービス」をクリックすると、
青いフォントで地番を確認できます。(対象外になっているエリアもあります。)
詳細な利用方法ついては、こちらの記事を参考にしていただければ。
意外に知られていない? 登記情報提供サービスで住所から地番を検索する方法 – GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
前面の道が道路認定されているか
土地に接している道路が道路として認められた道かどうかはわかりません。
ときどき道のようで道路認定されていない道もあるのです。
道路認定がされていなければ、道路としての利用価値はないということです。
これをどうやって調べるか。
市区町村によっては、ネットで道路認定図を見ることができます。
名古屋市の場合はこんな感じで→が出ているところは道路として認められています。道路の幅(幅員)も確認することができます。この道路は6m。
道路の距離を測れる市区町村もあります。まずは机上でざっくり測ってみるのもおすすめです。
農地の情報
農地の情報もネットから確認できます。
農地ナビというサイトでは、シミュレーションしたあとに表示されたマーク(◯)をクリックすると、賃借権などの権利設定などの農地の情報を確認することができます。
まとめ
ということで、不動産の情報は以前に比べるとかなりネットで確認できるようになっています。
今回ご紹介しなかった都市計画、用途地域なども含めてネット上で確認できることも多いです。
事前に見ておかないと、現地に不動産を見に行ってから何をするかが整理できておらず、現地と役所を何度も往復することにもなりがちです。
事前に机上で確認しておけば、現地に行って何をするべきかが整理しやすいですし、役所に行かずとも確認できるわけでショートカットできます。
ということで、不動産の評価のときの参考にしていただければ。
こういうのもあります。
広い土地が相続財産になるなら考えておきたい「地積規模の大きな宅地」のこと。 – GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
【編集後記】
昨日はオフ。長男(8)がチャレンジのポイントでもらったジェンガを家族で楽しみました。ルールはシンプルですがシンプルだけにけっこう白熱しました。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
ジェンガ
ソフトくん