社長の相続には注意しておきたい3つの相続財産がある

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会社の社長の相続というのは、通常の相続とはちょっと違います。

会社ならではの相続財産もあり、それだけに事前の対策が大事になってきます。

目次

お金に変えにくいのに価値のある財産もある 嘘のようなホントの話

相続というのは、突然やってくるものです。

贈与や売買なら「じゃあこの日に」と日程を決めることができますが、相続はそういうわけにいきません。

それだけに、前もって話し合いをしたり、遺言書を残したり、お金の対策、場合によっては財産の移転などを検討しておきたいものです。

どんな財産があるか?を確認しておくことも大事です。

相続財産に預金や上場株式が多ければ、お金に変えることは難しくないですから、分割もしやすく、納税など資金繰りの目処を立てやすいものです。

特に事前の対策が必要なのは、お金に変えにくい財産なのに、財産価値が高くなるものです。

この意味で、会社の社長の相続というのは、事前の対策が欠かせません。

「もう少し何とかなったのでは…?」と感じることも少なくありません。

社長の相続で注意しておきたい3つの財産

会社の社長の相続には、ある特徴があります。

経営の相続(承継)と財産の相続の2つがあるのです。

ただ、相続を対策すればいいというものではなく、会社の後継者を選び、バトンタッチするために時間をかけて、経営の引き継ぎをしなければいけません。

いうなれば、しばらくは2人3脚で並走。後継者1人でも会社が問題なく機能するようになったら、並走を少しずつやめていくというのが理想です。

相続が突然訪れることもあり、むずかしいところですが、それだけに時間もかかるわけです。

そういうこともしつつ、いつかの相続のことも考えないといけません。

相続財産としてどんなものがあるか?を洗出しておくことが必要ですし、対策のために形式を整える必要があります。

特に、社長の場合には、会社に関連した財産も多いものです。

役員借入金

会社を経営していれば、役員として会社にお金を貸すことはよくある話です。

ところが、この会社から見たときの役員借入金が相続財産になるのです。

会社からすると、役員借入金は、社長個人からすると会社への貸付金。

という話をすると、「そんなにたいしたお金を貸していないから…」と思われるかもしれません。

ところがです。これが「ある時払い催促なし」でいつの間にかすごい金額になっているということも実際にあります。

社歴のある会社、資金繰りが大変な会社ほど、この傾向があります。

貸付金が数千万円となると、これをお金に変えることはカンタンではありません。

ですから、相続になる前に、役員報酬を減らして少しずつ返済したり、事前に債権放棄するなどの手を打っておく必要があります。

ただ、難易度は高いので、実行するなら税理士に必ず相談しましょう。

そうならないように、毎期1回、たとえば決算前のタイミングなどで、役員借入金の残高をチェックするのをおすすめしています。

会社の株式

「会社の株式は財産になる」というと、驚かれる方も多いです。

事実、会社の株式を見たことがあるという方は、ほとんどいないでしょう。

ところが、会社の株式には価値があるものとされています。

いくらになるかは、会社によってそれぞれです。ざっくりいうと経営状態のいい会社ほど株価は高くなる傾向です。

だから、価値も毎年変わるのです。会社を続けていく前提なら、その株価は年々上がっていくと考えたほうがいいでしょう。

会社の株だけで、うん千万円になることもふつうにあります。

見えないし、売れないのに、価値があるというのが会社の株式の特徴です。

ということで。そんな特徴がある会社の株式については、生前に後継者に所有してもらうなどの対策が必要です。

参考までに。会社の株式には、納税猶予といって、相続税を繰り延べるルールもあります。詳しい内容を知りたい方はネットで検索していただければ。

会社に貸している不動産

社長が所有する土地や建物を会社に貸しているというケースも多いです。

第三者に貸す場合は、契約書などで条件をしっかり決めていることがほとんどですが、これがじぶんの会社に貸すとなると、契約があいまいになっていることがあります。

そのため、不動産について

  • 所有者が誰か?
  • どの部分を貸しているか?
  • 契約期間はいつまで?
  • 賃料はいくらか?

といったことを整理しておく必要があります。

よくよく調べてみると、会社に土地を貸しているのに、地代をもらっていなかったということもあります。

たとえば、何年か前、会社の業績が悪くて赤字を減らすために支払いをやめてしまったとか。

この点、会社に不動産をタダで貸していると、土地について小規模宅地等の特例という土地の評価減が使えなくなるという大きなデメリットがあります。

要件をクリアしていれば、この土地、400㎡まで80%の評価減ができるわけですから、かなり状況が違ってきます。

会社側だけ見ていると、問題がないと思えることでも、その反面、社長の相続を考えると実は大きな問題になっている、ということがあります。

どの財産を誰に渡す?

会社に関係する財産なら、後継者に渡すというのが通常です。

特に会社の株には議決権があるので、後継者に集中させたいところです。

会社に貸している土地も…とやっていると、気づけば相続財産の多くは後継者に偏ります。

だから、どうやって分けるか?の対策にも手間と時間がかかるものです。財産の整理、遺言や生命保険や退職金などのお金の対策も含めててです。

それだけに経営の引継ぎとともに、相続についても早めに考えておきたいものです。


【編集後記】
昨日は朝、長男(5)を幼稚園に送って、午後からお客さまと打合せでした。朝、家を出る直前で「おかあさんがいい」とぐずられましたが、キン肉マンの話をしたらケロッと機嫌がなおってホッとしました。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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