フリーランスが1年目に赤字になっても確定申告は必要だという3つの理由

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「フリーランスだと普通は確定申告するらしいけど、今年は赤字になりそうだから、来年は申告しないかな?」なんて思っていませんか?

確定申告が来る前にお伝えしておきますが、実は、赤字でも確定申告しておかないと、色々と損をする可能性があります。

うえむら
その理由についてお話ししていきます。
目次

「確定申告をしなくてもいいんでしょ?」

フリーランスにとって、「確定申告」というのは、1年の区切りと位置付けられるものです。

確定申告には「年が明けてからやるもの」、「たいへん」というイメージがあるようで。

その確定申告、実は利益がゼロであれば、申告しなくても税務署に怒られません。

税金は利益(もうけ)にかかるものです。

赤字である以上、税金は取れないし、申告しなくていいよ。ということになっています。

 

ただ、それを「あー、そうなんだ。」と鵜呑みにしちゃうと、こっちは大損することがあります。

要注意です。

…というわけで、今回は赤字でも確定申告はした方がいい!というお話をしていきます。

実は、赤字でも経理をきちんとやっておくことで、あとで大きな助けになってくれます。

絶対に確定申告しておきたい3つの理由

赤字でも確定申告をした方が理由について、説明していきます。

色々ありますが、ここでは3つに限定して見ていきます。

 

確定申告しておくべき3つの理由

  1. 赤字を来年の利益と相殺できる!
  2. 税金の還付があるかも
  3. 税務署や市町村からお尋ねがくるかも

赤字を来年の利益と相殺できる!

これは青色申告の人に限ってのお話です。

1年目「赤字だから…」と確定申告しなかったとしましょう。

その年は楽チンです。経理やらなくていいし、お金出ていかないし。

でも、問題は次の年です。

仕事がいい感じになって、利益が出た。

となれば、必然的に税金は払うことになります。

一方で。もし1年目に赤字で確定申告をしていた。その後、2年目に利益が出たという場合、2年目の利益から1年目の赤字を差し引いて、税金を計算することができます。

だから、2年目に払う税金は、1年目に赤字の確定申告をしなかった場合に比べて、小さくなります。

補足
赤字を繰り越しするには、期限内に確定申告することが必要です。赤字の繰り越しは3年間まで可能です。

上記の例で考えると、2年目は、本来、180の利益に対しての税金を払うところ、前年の赤字100を差し引いた80の利益にかかる税金を払えばいいわけです。

税金を払わないとお金が貯まらないとはいうものの、いくら払うか?というのはまた別の話です。

というわけで、赤字でも確定申告は、必ずやっておくべきです。

税金の還付があるかも

利益がゼロだとしても、確定申告するよりも前に税金を払っていれば、確定申告することで戻ってくることがあります。

どういうことか?

具体的には、取引先から入金されるときにすでに税金が天引きされているようなケースです。これが「税金の前払い」に当たるもので、源泉徴収と言われるもの。

前払いした覚えはないでしょうね。実はこれ、取引先があなたに変わって払ってくれています。

源泉徴収の対象になるのは、講演料、カメラマン、デザイン料、FPなど仕事によって、決まっています。

では、もし申告をしなかったら?

そのときは、払いっぱなしで終了。

税務署も特になにも言ってきません。これがあるのとないのとでは資金繰りにも影響するかと。

税務署や市区町村からお尋ねが来るかも

赤字なら申告していないのは、確かに問題ないのですが、去年まで情報があったのに、今年はないじゃん?なんて、思われているかもしれません。

誰に?税務署や市町村に…です。

しばらくすると、税務署や市町村は、まずはお手紙(お尋ね)攻撃をしてくる可能性があります。

こういうのが届くと、なんだか気持ちがすっきりしない、なーんかイヤな感じがします。

「本当に赤字なんだけど…」なんて思っていても、実際に経理をしてなければ、「あれ?本当に赤字で大丈夫だったのかな?」に変わるかもしれない。

そうならないように少々手間でも、確定申告をしておいたほうが、かなり気持ちとしても楽なんじゃないでしょうか?

経理にはトレーニングが必要 来年につなげる

もう1つ赤字でも確定申告をしておきたいのは、経理に慣れるため。

特に確定申告が初めて、ということであれば、経理だってまだ慣れていないことが多いのではないでしょうか?

赤字だとしても、経理をちゃんとやって、慣れておく。

2年目には、問題なく経理ができるようになっている、という流れも悪くありません。

前述のような税金のこと以外にも、経理には意味があります。

フリーランスだって数字を見て、「利益が出ているか?」「お金はどれだけある?」を確認しておくべきです。

「節税するか?しないか?」といったことも年末前には考えたいものです。

それも1年目になにもやらないと、2年目の経理もよくわからないまま、となるわけなので。

と考えると、経理のトレーニングになりますし、やっぱり確定申告をしておいたほうが何かとお得な感じがしませんかね?

目的がないと、なかなか行動ってできないものなので。「税金のために申告する」から卒業するチャンスです。

もし確定申告をしない場合でも

それでも、確定申告しないというなら、知っておいて欲しいことがあります。

利益が出てなければ、確定申告をしなくていいというのは、お伝えしたとおりなのですが、前述したように市町村も住民税や国民健康保険税などの計算に使うために、確定申告の情報を知りたがっています。

で、通常は確定申告書の情報が税務署から市町村に行くものの、それがないわけですから、「住民税の申告書を出して欲しい」と言われることがあります。

「…」

ということで、まったく聞き慣れない住民税の申告をするくらいなら、やっぱり所得税の確定申告をしておいたほうがよさそうです。

確定申告をしないとなると、目的がなくなり経理をおろそかにしがちですが、経理することの目的はそれだけじゃなく、自分の仕事の状況を把握するためだということをお忘れなく。


【編集後記】
昨日は相続税の新規打合せ。お客様のご事情でうちの事務所でやることに。今の場所になってからは初めてのことです。あ、この前税務署が来たけどお客様じゃないので。予定では最初の相続税の電子申告になりそうな感じです。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
今の事務所でお客様と打合せ


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