相続税申告を自分で作成できるとしたらこんな人

相続税

所得税の確定申告を自分でできるのと同様に、相続税の申告も自分ででできるのかどうか?

そのポイントをざっくりとまとめてみました。

「自分で相続税申告をしたい」というツワモノもいる

確定申告は、本来は自分でするものです。(難しいので税理士にお願いするわけで)

そして、所得税の確定申告はもちろん、消費税、法人税にも同じように確定申告がありますし、さらには、相続税や贈与税にもやはり確定申告があります。

税務署からすると、いずれも「自分で申告してちょ。あとでチェックするけど…」というスタンスです。

所得税の確定申告を自分でやるという人は少なくないですし、むしろ、お金のしくみを理解することを考えると、自分で申告をすることをおすすめしています。

そして、相続税の申告については、税理士にお願いするという流れがほとんどですが、中には「自分で申告書を作成しているんだけど…」「自分で申告したい」というツワモノの方もいて、過去にそういう方にお会いしたこともあります。

相続税の申告では、「亡くなった方の財産はいくらなのか?」というのを1つずつ評価する必要がありますので、所得税の確定申告に比べれば、難易度はかなり上がります。

特に不動産の評価は、ややこしい。

とは言え、個人的には、自分で相続税の申告書を作成できるケースもあると感じています。

相続税申告を自分でできそうな人って?

では、相続税の申告をじぶんでできるケースって、どんな場合なのでしょうか?

色々考えられますが、次のような内容に該当すれば、自分でチャレンジしてみてもいいかもしれません。財産構成がシンプルなパターンです。

 

相続税申告をじぶんでできそうな人って?
  1. 財産が預金と自宅のみ
  2. ネットを使える
  3. 土地の形がキレイ
  4. 生前贈与した財産がない
  5. 家族名義の財産がない

 

財産が預金のみ。不動産があっても自宅のみ

相続財産が預金しかないというようなケースなら、自分で相続税の申告に挑戦することも可能でしょう。

不動産があったとしても、自宅のみなら、自用地、自用家屋ですからなんとかできる範囲です。

その評価方法として、預金は相続開始日現在の残高証明書を銀行から入手します。

土地は自宅のある地域が、路線価方式か倍率方式かを判断して評価し、建物は固定資産税課税明細書をもとに計算します。

不動産は相続財産の中で、一番評価が難しいと言えますが、自宅の土地しかない場合なら、自分で申告するでもなんとかなるのではないでしょうか。

さらに自宅の土地には、小規模宅地等の特例が使える可能性がありますので、忘れずに確認しておきましょう。

小規模宅地等の特例で相続税は大きく減少する 税額がゼロでも申告は必要 | GO for IT

ネットを使える

相続税の申告では、資料をネットから入手することが多くあります。

どんな資料が必要かは、相続税の申告手引きにも書いてあるのですが、実際にはどうやるの?というのは、迷うところです。それゆえにネットを使って検索することは欠かせません。

中には、相続税の財産評価を手伝ってくれるようなサイト(上場株式の評価)などもあります。

ネットが一切使えないとなると、資料を取りに行ったり、情報も本のみと、負担もそれなりになります。

そうなると、ネットが使えない場合には、調べるのに手間と時間が必要な相続税の申告は、それなりに大変になると予想され、おすすめもできません。

土地の形がキレイ

土地の形が正方形や長方形などのキレイな形の場合には、評価はそれほど難しくありません。

こういったキレイな形の土地ならまだいいけど…

ただ、実際は?というと、キレイな土地ばかりではなく、むしろゆがんだ不整形な土地なども多いもので、そうなると評価は難しくなります。

さらに、賃貸している不動産、評価減ができる不動産なんてのがあると、少し難易度が上がります。

不動産の場合、「相続税を払えるか?」をクリアするためにも、評価減できるポイントをコツコツと見つけていくことが必要です。

ただ、自分でやるとなると、評価減になるようなポイントを見つけるのは、至難の技。

不動産が多い場合には、結果的に税理士にお願いした方がいいケースが増えます。

 

補足
参考までに、評価減できる土地にはこういったものがあります。(一例として)

  • セットバック
  • 騒音
  • 高低差
  • 無道路地
  • 地積の規模の大きな土地

キレイな土地で自宅だけなら、自分で申告できる可能性もあります。

生前贈与した財産がない

生前に贈与がない場合、自分で申告できる可能性は高くなります。

一方で、生前に財産を贈与しているようなケースでは、「どれを相続税の対象にすればいいのか?」の判断が難しく、やはり自分で申告をするには、ハードルは高くなるかと。

ちなみに

暦年課税の贈与→相続開始前3年以内に贈与した財産
相続時精算課税の贈与→すべての贈与財産

が相続税の計算対象になります。

家族名義の財産がない

預金の動きがほとんどないようなケースでは、自分で申告ができる可能性があります。

一方で、親族名義の預金があるが、実質的な持ち主がはっきりしない場合は、誰が所有しているかの判定が難しく、税理士にお願いした方がいいでしょうね。

判別はかなりややこしいので。

「じぶんで申告」にチャレンジするなら知っておきたいこと

じぶんで相続税の申告ができると税理士報酬もかからないという反面、特例や評価減の適用もれがあることも想定できます。

さらに、申告書には不動産の写真を始め、たくさんの資料を添付するのですが、自分で…となると資料を集めるのもそれなりに大変ですし、申告書に税理士の署名もありません。

となれば、税務署から「大丈夫かいな?」と疑われて税務調査に移行する可能性も高くなるでしょう。

特例の適用をし忘れて、相続税を払いすぎるということも想定されます。

自分で申告にチャレンジしたいのであれば、早めに動いて、わからないところだけを税務署に相談するというのも1つの選択です。

ただ税務署の場合、評価の方法など表面的な最低限のことは教えてくれますが、税理士のような提案、シミュレーションするといったことはないと思っておいた方がいいでしょうね。

もう1つの選択肢として、自分でやってみたものの、どうしても無理そうなら税理士にバトンタッチすることも想定しておいた方がいいでしょう。

とはいえ、バトンタッチを直前にお願いしても、引き受けてくれない、あるいは割増料金になるでしょうから、ちょっと無理そうだなと感じたら、早めに手を挙げた方がいいでしょうね。


【編集後記】
昨日は1日オフ。3人で友達と遊びに行ったので、私は私で休日をまったりと過ごしました。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
金子半之助
ららぽーと 北海道うまいもの館 メロンソフト


相続税申告・ひとりしごとをサポートします 植村豪税理士事務所

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