確定申告をするとき、フリーランスの場合は貸借対照表を出す必要があります。
そのチェックポイントをまとめてみました。
貸借対照表があっていないと利益もまちがい
正しく経理をしようとするなら、貸借対照表が正しいことが前提です。
ところが貸借対照表をチェックしているという方は少ないです。
損益計算書にはほとんどの人が目を向けるのとは対照的です。
というと、「貸借対照表は預金残高があっていればいいんでしょ?」という声が聞こえてきそうですが、そうではありません。
なぜなら、確定申告ではその年にお金の動きがないけど、損益計算書に反映させないといけない取引もあるからです。
逆にお金の動きがあるのに、損益計算書に反映してはいけないものも。
その状態では、利益も間違っている可能性がありますし、損している可能性もあります。
現金主義ではNG
大前提として、「お金が入ってきた=売上」、「お金を払った=経費」ではないということです。
入金がなくても売上になる場合、入金があっても売上にならないケースもあります。
いっぽうで、12月までに支払いがあっても、経費にならない。その逆で12月までに支払っていなくても経費にしないといけない取引はあります。
そのズレがモレやすい取引です。
売掛金
入金は1月になってからだけど、仕事は12月に終わっているという場合、未入金でも12月の売上にする必要があります。
そのとき、12月末次点で未入金である請求金額の合計が、会計ソフトの売掛金の残高と一致します。
もし、想定した金額と違っている場合は、「売掛金/売上」のもれがあるか、ダブりなど間違って経理している可能性があります。
前受金
逆に12月に入金があったけど、仕事をするのが1月以降という場合、12月の売上にはしません。
お金を前もらいしている場合、売上にするタイミングは、実際に仕事をしたときです。
12/27 預金/前受金 100
としておき、実際に仕事をした1月に
1/10 前受金/売上 100
となるように経理しておきます。
その場合、前受金から売上にするのは翌年になります。
12月までは売上にはしません。
経理をやるなら入力方法を工夫してみよう。 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
なので、12月の売上とすると、2023年に払わなくていい税金を払うことになるので注意しましょう。
freeeの場合は、前受金として処理したあと、「更新」で前受金から売上に振替える処理をしておくこともできます。忘れないようにすぐに経理しておくのも手です。
未払金(買掛金)
12月末までに支払っていなくても、取引内容が12月までのものは経費になります。
意外と忘れていることは多いです。
これはネットバンクからのデータ連携ではわからず、請求内容から判断することになります。
1月以降に支払う予定の経費について、確認してみるとモレをなくせます。カード払いも含めて。
その上で年末時点で未払いの金額の合計が会計ソフトの未払金残高と正しいかどうかです。売上同様にダブりやもれには注意しましょう。
前払費用(前払金)
逆に12月までに支払ったけど、1月以降にサービスを受けるような場合は、前払費用にしておきます。
前払費用は「費用」とついていますが、貸借対照表の資産になります。
実際にサービスを利用した日に前払費用から経費科目に振り替えます。
減価償却費
減価償却費は通常の経費と比べると少し特殊です。
買った年にお金は出ていきますが、2年目以降はお金が出ていきません。ただ経費にはなります。freeeやマネーフォワード、確定申告書等作成コーナーだと、固定資産台帳に登録しておけば減価償却費の仕訳が自動で計算されます。
ただ、登録を忘れると経理も忘れやすいでしょう。お金が出ていかないだけに。
また、10万円以上のモノを買った場合には、経理のやり方が複数あるので注意しましょう。
詳しくはこちらの記事を。
この固定資産台帳の年末の残高と会計ソフトの固定資産の残高は一致します。
あわなければ、どこかがおかしいです。
預金も間違っているかも
クラウド会計を使っていれば、ネットバンクのデータが連携されるのですが、それでも貸借対照表の残高がネットバンクの年末残高と一致しているとは限りません。
「そんなことあるの?」と思われるかもしれません。
ただ、実際には
・登録を無視する
・口座間の振替でダブり
・預金科目を手入力している
・連携が途中で停まっている
などの理由からネットバンクの残高と合っていないことがあります。
預金については残高を毎月見ておくのがおすすめです。取引数も多いのであとでチェックするのはタイヘンですから。
貸借対照表の科目残高があっていることが前提です。
貸借対照表は資産や債務(負債)の残高を管理するリスト。
損益計算書と違って、各科目の数字は年が変わってもゼロからのスタートにならず残高を引き継ぐため、正しい残高がわかるようにしておきましょう。
借入金の残高も返済表の残高とあわせておく必要があります。貸借対照表のすべての科目残高について内訳がわかるかどうか。
確定申告をする前に、チェックしておきましょう。1月から新しい年がスタートしますし、めんどうな確定申告は早めに終わらせるのが吉です。
【編集後記】
昨日は税理士業、その後はオンラインセミナー参加。夜はメルマガのオフ会を開催。独立前後のはなしや趣味などをテーマに楽しめました。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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夜にオンラインでオフ会