相続を考えるときには、相続税のことが頭をよぎるかもしれません。
そもそも相続税ってどういう税金なのか…?
よくわかっていないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、相続をはじめて考える前によく耳にする3つの疑問に答えてみました。
相続税がかかる?
人生には限りがあるもの。
その終点に相続があります。相続のことは亡くなる人だけが考えるべきものでもなく、また、残される方だけが考えるものでもありません。
それぞれの立場で考えるべき人生のテーマ。
普通に考えれば誰もが一度は経験するものであり、避けることはできません。
ただ、相続のことを勉強しようとTV、雑誌などを見ると、中にはびっくりするような情報もあるわけです。
すべてをじぶんのことのようにとらえてしまうこともあるかもしれません。
確かにいずれ来る相続を考えておきたいのは前述したとおりなのですが、それでも雑誌に載っているようなことがみんなにあるわけではありません。
そもそも、相続税がどんな税金かわかっていないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回は相続税の基本的な疑問だけに絞ってまとめてみました。
みんなが口にする「相続税」3つの疑問
相続税についての基本的な疑問を3つ挙げてみました。
どれも基本的な疑問ですが、実際に耳にしたものになります。
「亡くなったら相続税を払うの?」
「亡くなったら相続税を払うの?」というのは、よく耳にする疑問の1つです。
ちょっと言葉足らずではあるのですが、「相続があったら相続人は相続税を払うの?」ということです。
所得税の確定申告のイメージがあるのか、全員が払うものだとカン違いされている方もいらっしゃいます。
ただ、実際に相続税がかかる方は限られた方のみです。
相続税がかかるのは、全国でいえば100人いたら9人ほど。愛知県なら100人いたら12人、関東都心でいえば100人いれば15人くらいです。
亡くなった方のうち相続税がかかるほど財産をお持ちの方、その相続人の方は、相続税を払うことになります。
「いくらから相続税はかかるの?」
「いくらから相続税はかかるの?」はもっとも耳にする質問の1つです。
ただ、「いくらから」というのは、なんとも言えません。
亡くなった方の財産、相続人の数など家族構成によって違うからです。
たとえば、亡くなった方の財産が5,000万円あったとして、相続人が4人いる場合と1人の場合とでは、基礎控除額が変わってきます。
基礎控除額というのは、「3,000万円+600万円✕法定相続人の数」で計算されます。
相続人が4人いれば、基礎控除額は5,400万円(=3,000万+600万円✕4人)
財産は5,000万円なら基礎控除額以下。
相続税はかかりません。(財産 5,000万円 ≦ 基礎控除額 5,400万円)
いっぽうで、相続人が1人なら基礎控除額は3,600万円(=3,000万+600万円✕1人)。
5,000万円の財産があるなら相続税はかかります。
(財産 5,000万円 > 基礎控除額 3,600万円)
相続人の数によっても相続税がかかるかどうかは変わってくるわけで、「いくらから」というのはありません。
財産5,000万円でも、相続税がかかる場合と、かからない場合があるわけですから。
ちなみに、亡くなった方の財産が3,600万円以下なら、相続人は1人でも相続税はかかりません。
「母親に相続してもらえばいいんでしょう」
「母親に相続してもらえばいいんでしょう?」というのも耳にします。
これはいいようで、一歩踏みとどまって考えて見る必要があります。
母には配偶者の税額軽減という特例があり、法定相続分か1.6億円の大きい方までは相続税がかからないことになっています。
被相続人の妻の相続税がゼロになる特例 「配偶者に対する相続税額の軽減」とは? – GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
ところが、すべてを母に相続してもらった結果、その後の母の相続(2次相続といいます。)では、父から相続した財産と、母がもともと持っていた財産の合計が2次相続の財産になります。
さらに2次相続では、配偶者の税額軽減という特例はありませんし、法定相続人も1人減っています。
結果、1次相続では相続税を払わなくてよかったとしても、2次相続でそれ以上に相続税を負担することにもなりえます。
その点を踏まえて考えたほうがいいでしょうね。
わからなければ、税理士に試算してもらうのも手です。
相続のことをどこまで考えるか
相続のことを考えるとき、相続税がかかること、相続税を払うことを考えるかもしれませんが、それよりも考えておきたいのは、もめないか、分けることができるかという点。
税金がかからないからいいというわけではなく、相続税がかからないけど、財産を分けにくいといった問題もあるものです。
確かに相続税のことも気になるところですが、それよりも
- 揉めることなくわけることができるか
- わけやすい財産構成になっているか
- 相続税を払えるだけのお金があるか
ということを生前に話し合いするなど整理しておいたほうがいいでしょう。
遺言書を残しておくというのも1つです。
相続税がいくらかかるかを事前に検討することも大事ですが、相続税ばかりを考えた結果、揉めてしまっては何もなりません。
- もめないこと
- 払えるかどうか
- 相続税の節税
この3つのバランスをとりつつ家族間でも相続を考えてみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
昨日は税理士業をしてから、カットに。その後星崎に行き、先日購入した三脚を使って撮影を。
収穫もありましたが、そのあとちょっとしたハプニングも。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
とある場所で撮影