相続開始後に入金があったものは相続財産ではない?

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相続財産の1つである預金、相続日の残高で評価します。
ただ、相続時点での預金残高だけでなく、相続後の入金もチェックする必要があります。

その理由についてまとめてみました。

目次

預金の残高証明書だけでは解決しない

 

相続税の申告をするときには、相続財産を評価する必要があります。
この相続財産としてどんなものがあるか。

不動産や株式と並ぶ財産として預金があります。

 

相続財産としての預金は、相続開始日の残高で評価します。
残高証明書や通帳からわかります。
というわけで、預金は不動産と違って誰が評価しても同じ金額になります。

 

そのいっぽうで、税務調査でいちばんもれが見つかるのもまた預金。

 

親族名義の預金、相続開始の直前に引き出したお金のもれ。
単純に残高だけわかればいいというそんなカンタンな話でもありません。

 

もっと広い目で見る必要があります。

過去の預金からの出金から別の財産になっている
親族名義の口座にお金が移っている

といったものを見つけて、その行き先をチェックする必要があります。

 

意外と見落としがちなのは、相続があった後に入金されるお金。
ここにも相続財産があります。
そうなると、やはり相続開始日の預金残高だけでは情報不足です。

 

というと「え、相続開始日までに入金されてないのに?」と思われるかもしれません。

 

確かに相続開始の時点ではお金になっていないのですが、相続開始の時点で被相続人がお金を受け取る権利が確定しているものは相続財産という扱いです。

 

未収入金として相続財産に含めるべきものになります。

 

相続開始後の入金が相続財産になるケース

被相続人の口座や相続人の口座に相続があった後に入金されたお金のうちにも、チェックするべきものがあります。

 

たとえば、生命保険金や死亡退職金。

正確に言えば、この2つは相続財産ではありません。
税金計算のルール上で相続財産の扱いになる「みなし相続財産」ですが、入金をチェックするべき財産です。

それ以外で相続開始後に入金がある相続財産には、次のようなものがあります。

 

相続後に3年以内に支給される給料・賞与

 

相続があった後に支給時期が到来して支払われた被相続人の給料は、相続財産になります。
相続時点では受け取っていませんが、給料をもらう権利は相続時点で確定しているからです。

 

相続があってから支払われる給料は相続財産になる? – GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog

 

また、相続後に被相続人が受け取ることが確定した賞与も同様に相続財産になります。

 

もし、預金残高だけでチェックしていると、この入金を見落とす可能性があります。
忘れないようにしましょう。

 

税金や社会保険の還付金

 

被相続人の準確定申告は最後の確定申告。
その準確定申告を相続人が相続後4ヶ月以内にすることになります。

 

準確定申告でもし、税金が戻ってくることになった場合、その戻ってくるお金は相続財産になります。

 

また、相続後に介護保険や後期高齢者医療保険の保険料が戻ってくることがあります。
高額療養費の還付金も。

 

これも相続財産になります。
相続時点でお金に変わるものは相続財産になると考えてみればいいかと。

 

老人ホームの精算金

 

特に注意したいのが老人ホームの精算金。

 

被相続人が老人ホームの入居するときに一時金を払うことがあります。
その後に相続があったとき、入居期間によってはお金が戻ってくるケースがあります。

 

そのお金も相続財産になります。

 

相続人からするとなかなか気づきにくいのですが、契約書や規約をチェックするとわかります。
老人ホームにも連絡してみましょう。

 

医療保険の入院給付金

 

被相続人が医療保険に加入していた場合に、入院給付金や通院給付金などを受け取ることがあります。

 

この入院給付金。
被相続人が受取人になっている場合には、相続財産になります。

 

たとえ相続があってから相続人が請求したとしても、被相続人が受取人であればもともと被相続人が受け取る入院保険金だよねというのが理由です。

 

いっぽうで、受取人が被相続人以外なら相続財産にはなりません。

 

注意したいのは、生命保険金とは扱いが違うという点。
入院給付金は分割が必要な「未収入金」という扱いです。

 

 

相続後の入金もチェックする

 

相続開始後に相続人の口座に入金されたものの中に被相続人が受け取るはずのお金が入金されていることがあります。

 

そのうち、被相続人が受け取るはずだったお金は相続財産になります。

 

相続人の口座も相続日以後の通帳記帳がされていないと、入金に気づかないケースもあります。

たとえば2022年3月2日が相続の日だった場合、相続日までしか記帳されていません。

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ただ、実際は口座凍結がされない限り、その後も入出金が続いていることもあります。

被相続人の口座だけでなく、相続人の口座に振り込んでもらったお金も含めて、相続後の入金をもらさずにチェックしておきましょう。出金も。

 


【編集後記】
昨日はオフ。朝に長男(7)とサッカーの練習をしたり、ゆっくりと。夕方は友人とオンライン会談でした。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
長男(7)ととあること


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