会社が赤字だと株価が低いとは限らないという話。

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上場していなくても、会社の株式は価値があるものとされ、相続財産にもなるものです。

会社が利益を出すたびに株価は上がっていきます。ただ、赤字が続いたからといって株価が下がるとも限りません。株価が上がることもあります。

目次

会社の株価は動いている

会社の株式には価値があります。

会社が上場していれば、日々、会社の株式の売買はされていますし、株主もひんぱんに変わるという特徴があります。

いっぽうで上場をしていない会社の株式はどうか。

社長が株主であることがほとんどで、その株式の売買はほとんどされないというのが実情です。

ところが、この株式は財産になります。相続財産としても価値があるものとされています。

土地や建物のように目に見える財産ではないですし、ましてや売れるわけでもないのにです。

議決権や配当を受ける権利があるからというのが一応の理由です。

そして、会社の株価は利益が増えるほど価値が上がっていくとされています。

株式を後継の社長に移そうと思っていたら、株価がすごく高くなっていたというのはよくある話です。

となると、「じゃあ、会社が赤字続きのときなら、株価は安いでしょ」と思われるかもしれません。

ただ、ほんとうにそうかといえば、そうとは限りません。

会社が赤字でも株価が低いとは限らない

上場していない会社の株価について、

「額面でいいんでしょ」

という声はありますが、それは間違いです。

もともと会社をつくったときは額面なのでしょうが、時の経過とともに利益を出したり、資産が増えたりと会社の純資産も増えているわけです。

移動する時点での株価評価をします。

株価評価の詳細はかなりむずかしいので割愛しますが、ざっくりいえば、次の2つの基礎になる株価を計算して、この2つの株価をもとに会社の株価を計算することになっています。

株式評価のもとになる2つの株価
  1. 類似業種比準価額(同業種の上場株式をベースに評価した株価)
  2. 純資産価額(決算書をベースにして評価した株価)

会社の規模や従業員数、取引額によって、それぞれの株価を使う割合が変わります。

たとえば、「株価=類似業種比準価額×0.6+純資産価額×0.4」というように。

この2つの株価、一般的には「類似業種比準価額<純資産価額」となることが多いです。

ただし、赤字が続いている場合、低い方の類似業種比準価額が使えないというケースもあります。

その場合は、純資産価額のみで計算することになり、結果として株価が高くなることがあるのです。

少々むずかしい話になりましたが、赤字が続いていても、株価が下がるとは限らない、ということです。

たとえば、最近は赤字が続いていても、過去に利益をたくさん出していて、純資産が多くなっている会社。そういう会社は株価が高くなりがちです。

社歴が長い会社ほどその傾向があります。

毎年利益がでて、決算書の純資産が増えれば、株価が上がっていく。

でも、赤字が続いたからといって株価が下がるとも限らないというなんだか矛盾しているようなイメージですがそういうしくみになっています。

定期的に株価を計算してみる

とはいえ、事業を継ぎたいのに何もしないでは、そもそもの株価がいくらかもわかりません。

もし、後継者として株式を社長から生前に贈与などで引き継ぐ予定であれば、その株価の動きをチェックしておくべきでしょう。

株価は動くわけですから、長期的な株価の動きを見ておき、社長とすれば、いつわたすか、どのくらいの期間で後継の社長にわたすかを見極めておきたいものです。

会社の株式はお金に変えることができないですし、価値が高くなることもあるので、対策はそれなりに必要になります。


【編集後記】
昨日は歯医者のあとは、法人の決算をやってから外出。帰りに習いごとを終えた長女(12)を迎えに行って帰宅しました。

【昨日の1日1新】
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