相続開始前3年以内に貸付けを始めた土地に小規模宅地等の特例が使えないという話。

相続税

2021年4月1日以後の相続から、小規模宅地等の特例が少し変わります。

相続開始前3年以内に貸付けを始めた土地については、小規模宅地等の特例が受けられなくなるという話です。

小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例。

相続があったときに、亡くなった人が持っていた土地のうち、事業に使っていたとか、自宅として使っていた土地があった場合、土地の評価額を減額できるというものです。

要件を満たせば、次のようなに土地の評価額を減額できます。ざっくりまとめるとこういう土地です。

小規模宅地等の特例の種類は?
小規模宅地等の種類どんな土地?限度面積・減額割合
特定事業用宅地等貸付け以外の事業に利用されている土地400㎡・80%評価減
特定同族会社事業用宅地等同族会社に貸している場合の土地400㎡・80%評価減
特定居住用宅地等自宅の土地330㎡・80%評価減
貸付事業用宅地等貸付している土地200㎡・50%評価減

ただ、要件をクリアすればすべての土地について、減額ができるというわけでもありません。

全体で適用できる限度面積があるので、どの土地に小規模宅地等の特例を使うかというのを選ぶ必要があります。

こちらの記事にもまとめています。
小規模宅地等の特例で相続税は大きく減少する 税額がゼロでも申告は必要 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog

この小規模宅地等の特例に変更がありました。(本当は2年前に変更があったのですが、2021年3月31日相続までは、特例ルールがあって影響なしでした。)

本当に3年以内に新しく賃貸した土地には使えない?

変わったのは、前述した土地のうち、被相続人が土地を賃貸している土地を親族が相続した場合に使える小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)

この貸付事業用宅地等では、亡くなった人の不動産賃貸などを親族が引き継いで、申告期限まで貸付をしていれば、200㎡まで50%の評価減が無条件にできました。

どう変わったの?

これが2021年4月1日以後の相続では、相続開始前3年以内に新たに賃貸した土地については、小規模宅地等の特例を利用することができなくなりました。

図にしてみると、こういうイメージですね。

GOforIT

ずっと土地を貸していた実績があれば、小規模宅地等の特例を使っていいけど、最近、貸し始めた土地は、使えないよというルールになったということです。

その最近というのを、相続開始前3年以内で線引きしたという話です。

やっぱり例外もある

ただ、やっぱり例外はあります。

先程、N.G.になったようなケースでも適用できるケースがあります。

それは、亡くなった人が3年を超えて、事業的規模で不動産賃貸をやっているような場合。

もう少しざっくり言うと、被相続人が食べていけるほどの不動産賃貸をやっていたようなケースで3年を超える場合です。

この場合には、これまでどおりに小規模宅地等の特例が適用できるということになっています。

GOforIT

じゃあ、貸付で小規模宅地等の特例が使えなくなるのは、どういう土地なの?という話ですが、次のような土地です。

どんな土地が貸付事業用宅地等にならない?
  1. 相続開始前3年以内に新たに不動産賃貸を始めた土地
  2. 被相続人がそもそも不動産賃貸を事業的規模(食べていけるほどの不動産賃貸)でやっていない

もっとも。それ以前に事業用の土地があったり、自宅の土地で小規模宅地等の特例を受けられる場合には、この貸付事業用宅地等まで出番が回ってくるかは、わかりません。有利不利もありますし。

ただ、少なくとも、これまでのように被相続人が賃貸していた土地を親族が相続。申告期限まで賃貸を続けていればそれだけで受けられるというものではなくなったということです。

相続前に考えてみる

小規模宅地等の特例を使えるか、使えないかで相続対策の1つである「払えるか?」にも影響します。

たとえば、

3,000万円で200㎡の自宅土地で小規模宅地等の特例を受けるなら、評価減できるのは3,000万円×200㎡/200㎡×80/100=2,400万円。

3,000万円で200㎡の賃貸中の土地で小規模宅地等の特例を受けるなら、評価減できるのは3,000万円×200㎡/200㎡×50/100=1,500万円。

というように評価減できる金額は小さくありませんし、相続税にも大きく影響するわけです。

小規模宅地等の特例をつかえるかどうかは、相続があってから検討するという方も多いのですが、そうではなく相続がある前に相続財産である不動産に小規模宅地等の特例がつかえるかどうかを考えてみる。

限度面積もあるので、どの土地で利用するのがいいかというのを考えておきたいものです。「払えるか?」の対策にもなるわけですし。


【編集後記】
昨日は資産税の仕事を中心に。朝、先日、近所に新しくできた公園?の外周を走ってみました。これまで貯水池だったところを半年以上掛けて造成して。これまで「何これ?」だったところでしたので、市民としてはいい方向性だなと。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
近所の公園?をランニング