相続税の電子申告をe-taxソフトでやってはいけない

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2019年10月1日より、相続税の電子申告ができるようになっています。

ただ、国税庁のe-taxソフトで電子申告をするのはおすすめしません。税理士の方向けに今回やってみて気づいたことをまとめてみました。

目次

相続税の電子申告

今や確定申告をPCやスマホを使って電子申告することができます。

所得税や法人税、消費税、贈与税といった申告は、電子申告をすることができます。

電子申告ができれば、申告書を郵送をしなくてもよくなります。

PDFファイルで保存しておくことも可能です。2020年には電子申告をすると、所得税の確定申告で青色申告特別控除が10万円プラスされる動きもあり、ますます電子申告にいく流れでしょう。

相続税は?というと、これまで電子申告をすることができませんでした。

となると。プリントアウトして提出しないといけないですし、マイナンバーカードまたは通知カードと免許証が必要です。印鑑も。

さらに相続税の申告書には、土地の評価書類や通帳のコピーなど添付する書類が多いことから、紙にすると、けっこう厚めになっていたのです。(私は)

 

そして、2019年10月1日よりようやく相続税の申告でも電子申告ができるようになりました。

ところが、私が使っている税務ソフト(J●L)はまさかのe-tax利用開始の10月1日に足並みを揃えず。できるはずの電子申告には現状は非対応なのです。(2019年12月20日現在)

ただ、すでに私は電子申告する気まんまんで。

電子申告ができるソフトもありそうなのですが、そのためだけに、他社の税務ソフトを買うのもなんだかなぁと思い、e-taxソフトでやってみることに。

イマイチなソフトだとわかっていたものの、ネタになると思ってやってみたところ、これがかなり大変な道のりでした。

e-taxソフトで電子申告をしてはいけない

電子申告の前提として。

相続人の方の電子申告をするための利用者識別番号という16桁の番号をe-taxから事前に取得してもらいます。

そして、各相続人のマイナンバーを申告書に入力する必要があります。

申告書の添付書類のほとんどをイメージ添付書類として、PDFファイルで伝送できるということになっています。

 

補足
修正申告書は紙での提出になります。

これまで郵送していたものが、郵送しなくてもよくなるわけですから利用したいところです。

本来は、相続人の方がそれぞれ電子署名をして提出する必要があるのですが、税理士が電子申告をする場合には、相続人の電子署名を省略することができます。

ただ、これを国税庁のe-taxソフトでやってはいけない。なぜならe-taxソフトには、通常のソフトには当たり前にある機能がないのです。

同じ国税庁の「確定申告書等作成コーナー」とは、性能にずいぶん開きがあります。

ほとんど手入力

これが一番驚いたのですが、ほとんど入力しないといけません。

生年月日を入力すると、年齢が自動で出るところ、年齢も入力しないといけませんし、まさかの合計も自動集計してくれません。按分割合も。

税務ソフトからデータインポートができればまだしも。それもできません。

結局、入力してチェックするということをやりました。それにしても合計欄を修正するというのは、初めての体験…。

IMG 2547

入力するの苦手ですが仕方なく。その入力も超絶やりにくいです。

途中で落ちる

このe-taxソフト、使っている途中でいきなりダウンすることがあります。今回は1回だけでしたが、ダウンするとソフトを再起動です。

イメージ添付はちょっとだけ

今回の目玉は、添付書類をPDFファイルなどで伝送できるというのが1つあったわけですが、このe-taxソフトについては、添付できるファイルに限りがありました。

本来の設定だと、すべていけるはずだったのですが。

 

補足
本来は

  • 1送信当たりの上限ファイル数は最大136ファイル
  • データ容量 PDF ファイル合計で最大8.0MB

すべての資料を添付しようとおもっても、エラーになってしまうのです。

PCによるかもしれませんが、私の場合は3度挑戦しても結果が同じ。ヘルプデスクに問い合わせたものの、解決には至らず。

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結局、イメージ添付書類として添付できたのは、戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書など主要な添付書類のみ。

そのほか、土地の評価資料や預金関係の資料は税務署に郵送することに…。

基本情報が提出書類ごとに必要

基本情報には、相続人の情報、税理士の情報などを入力します。

e-taxソフトの場合、この基本情報を書類ごとに入力しないといけません。(通常は1つ入力しておけば連動する)

  • 申告書で1つ
  • 税務代理権限証書で1つ
  • イメージ添付書類で1つ

というように。

スクリーンショット 2019 12 10 16 41 45

以上を乗り越えて、ようやく相続税の電子申告に。

申告書など(税務代理権限証書、イメージ添付書類)のデータを作成してから、電子署名をし、

スクリーンショット 2019 12 10 15 36 49

送信。

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メッセージボックスに受付完了メールが届きます。全員の通知が届かない場合には、利用者識別番号がまちがっている可能性がありますので、必ず確認しておきましょう。

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やってみないと体験できない

e-taxソフトで電子申告をやってみて、苦戦しましたが、その代わりに相続税の電子申告はなんとかできました。

合計欄まで入力しないといけないのは論外ですが、新しいことをやるのには簡単にできないことも多いです。

こういう経験があって、問題点やどうすればいいか?の解決方法を考えたりもするものです。

こうしてブログネタにもなりましたし。

なんとか申告書に印鑑を押していただく、紙を出す古き伝統からなんとか決別したいものです。

でも、もう少し使いやすいのがいいかなと。


【編集後記】
昨日はお客様訪問。帰りにTAKU TAKUに寄ってパンを買っていきました。西尾に行くとけっこうな割合で寄っています。夜は受験時代にお世話になった先生たちと焼肉へ。じっくり話ができて楽しめました。このブログもときどきにチェック頂いているようで…。12月はもう1回飲みに行きます。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
HEITAIYA
TAKUTAKU いちごサンド
焼肉ソウル


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