相続した財産を寄附すると非課税に 知っておきたい3つのルール

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相続財産を引き継いだあとどうするか?

ときには、相続財産の一部を寄付をしたいというケースもあります。相続財産を寄付した場合の取り扱いについてまとめてみました。

目次

相続財産の「これからどうする?」

亡くなった方から財産を相続したのはいいけど、これからその相続財産をどう活用していくか?というのは悩みどころです。

相続財産には、お金、上場株、不動産、金地金といったお金に変えやすい財産から、会社の株式、貸付金といったお金に変えにくいものまで幅広く。

  • 所有するか?
  • 売るか?
  • あげるか?

のいずれかの選択になります。

亡くなった方がひとりで住んでいた自宅に相続人が住む。

あるいはすでに家があるので、亡くなった方の家を壊して更地になった土地を売るという選択肢もあります。(税金がかかりますが特例が使えることも)

 

最後は「あげる」

財産を「あげる」と言えば、子どもや孫に財産を贈与するというのが通常です。

ただ、同じ「あげる」でも、相続財産を国や県などに寄付するという選択もあります。珍しいですが、じっさいにある話です。

例えば現金を寄附することもできますが、多いのは美術品、骨董品といったもの。

国や県の運営する美術館などに寄付したいというケースなどです。

相続税が非課税になる3つのルール

相続税には、相続人が相続した財産を国や県など、公益法人や認定NPO法人などに申告期限までに寄附した場合には、寄付した財産について相続税が非課税になるという特例があります。

通常は、相続財産になって、相続税の対象にもなるわけですが、寄付して公益のために使われるなら相続税をかけないよというものです。

それには条件がありまして、次のようなものです。

寄付して相続税を非課税にするには?
  1. 相続人が相続した財産を寄付
  2. 申告期限までに寄付
  3. 公益(社会)のために利用される

もちろん、申告期限までに寄付しなければ、通常の相続財産と同じように相続税がかかりますし、証明書も申告書に添付する必要があります。

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相続税の申告書にはこのように記入します。

寄付する財産が現金なら額面でいいのですが、骨董品や美術品なら「いくら?」を出しておく必要があります。

骨董品などの場合には、価値が本当にわからないもので、たくさんあれば、そのすべてを受け入れてくれるかどうかは何ともいえません。

もし寄付できなかったものの中に価値あるとされるものがあれば、相続財産になります。

「いくらになるか?」がじぶんでわかればいいですが、そんな人はほとんどいないかと。

そこで、古物商などの専門の人に評価証明書を出してもらうのが一般的です。

意外にキビシイ? 非課税への道

意外に簡単なようでキビシイのがこの特例のルール。

まず、相続財産をお金に変えて寄付しても非課税にはなりません。

そして、申告期限までに寄付するということは、10ヶ月以内に、ということ。

すぐに寄付できる現金ならまだしも。骨董品や美術品なら受け入れ先と話をして、どれを寄付として受け入れるか決めてもらったり、鑑定してもらって評価額を決めたりと、それなりに時間がかかります。

さらに寄付の証明書をもらって申告書に添付することが必要です。この発行にも時間がかかることがあります。

ということで、相続財産を寄付して相続税を非課税に、という場合には、早めの対応が必要だと言えそうです。

 

補足
所得税の確定申告でも寄付金控除の対象になる場合があります。ここではくわしく触れません。

寄付するという少々マニアックな話になりましたが、本日は以上です。


【編集後記】
昨日はメールコンサルティングの回答、その後相続税申告の打合せなどを。今月には終わりそうです。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
Life Cycle


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