値段だけでは競わない ピンチになればお客様の顔を思い浮かべる

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独立してから、決めているのは価格で競わないということ。

その軸を守れているのは、常に少数派にいるんだということを自覚しているからです。

目次

フリーランスが値下げできない理由

「いくらで仕事をするか?」というのは、自由に決めることができます。

(税理士の場合、過去には報酬規定があったそうですが、今は自由報酬です。)

大企業は、この消費税増税の直前に8%軽減税率と10%の税込価格を統一する、という大ナタを振るっていますが、中小企業やフリーランスが同じような実質値下げをするのは、ダメージが大きすぎます。

たとえば、売上単価を10%値引きしたら、利益の減少は10%以上になります。

損益分岐点分析 売上単価を10%値引きするのを選ぶか、客数が10%減るのを選ぶかを数字で考える | GO for IT 

損益分岐点は4つある 利益感度分析でどこから手をつけるかを考えてみよう | GO for IT

そして、売上は単価×数量で決まるとされています。単価を下げれば、数を増やさないと同じ売上になりません。

人を雇っていれば、「数を増やせば…」という判断になるかもしれません。

ただ、ひとりで仕事を選んでいる現在、できる仕事の数には限りがあります。

結果、「売上=売上単価×数量」の売上単価を下げるわけにはいかなくなります。

それゆえに、独立してから本当に難しさを感じたのが売上単価をいくらにするか?、いわゆる値付けです。

そして、決めたことは、「値段だけでは勝負しない」ということでした。

コストコにはなれない

話は少々変わりますが、コストコに買い物に行くと、お肉の安さに驚きます。

とはいえ、とても美味しくいただけるものです。

でも、それが実現できるのは、世界規模で仕入れていて、割引後の安い単価で仕入れることができているからでしょう。

売値が安くても、仕入値も安ければ、利益を出すことは可能でしょう。数も増やすことも問題ないでしょう。普段の混み具合を見る限り。

一方で、フリーランスは規模で考えれば、世界最小といってもいいくらいです。

そういうこととは最も縁遠いところにいます。コストコにはなれるはずもありません。

安く売るということと、数を増やすという戦略は、独立当初から無理だと悟っています。

会社をつくると、税理士事務所からのDMが山のように届きますが、その中には、かなり安い値段を出しているところもあります。

ただ、どんなことをサービスとして提供しているかもわかりませんし、値段だけで競争することは、私にとってなんの意味もありません。

「50,000円〜」と書かれていても、実際の値段はわかりません。

少なくとも私は「安く仕事してほしい」というお客様のお役には立てないでしょう。

ピンチになったらお客様の顔を思い浮かべる

独立してからも比較されることはありました。

気づけば、他の税理士の方と相見積りになっているなと感じることもありましたし、不動産業者が「税務署に聞きに行って教えてもらいましょう」と提案していたというようなことも過去にもありました。

相見積もりになれば、「どっちか安い方で選びたい」ということになりますし、税務署に相談に行けば、無料で教えてくれますし、確定申告なら確定申告相談会場にいけば、無料で提出できます。

安くすれば仕事を受けることができる可能性はあるのですが、こうなった段階で「申し訳ありません。」と身を引いています。

そんなピンチのとき、これまでのお客様の顔が思い浮かびます。

価格で勝負するということは、自ら価値を下げていることに他なりませんし、値下げに応じるとなると、選んでいただき、お金を払ってお仕事させていただいたお客様に会わせる顔がありません。

これまで商品である自分を磨くのにかけてきた時間もありますし、安く仕事をうけていては、近い将来に仕事を続けることはできなくなっているはず。

お客様のお困りごとにはじっくり向き合いますから、時間もかかりますし、私の提案ひとつでお客様の将来にも影響しますから、どの仕事も真剣勝負です。

たとえ、お客様がどんなにいい方だったとしても、仕事としてやっている以上、譲れないことがあります。

もし営業が苦手だからと、私が安売りをしていたら、今と同じ状況の自分と家族、そしてこれまでのお客様との関係もなかったはずです。

それを守るためにも、値段では戦わない、と決めています。

結局、私は数を増やせない道を選んだ以上、価値を感じていただける方を見つけるしかありません。

安売りのできる税理士事務所や無料の税務署と勝負しても、価格では絶対に勝てませんので。

値段だけで競わないと決めた以上、

  • こちらが仕事を続けていくために必要な金額
  • お客様に価値を感じて払っていただける金額

その2つがバランスするところを見つけないといけません。

お客様側だけを考えれば、安いほうがいいはずなので、値段で競うことになります。でも、それではだめで両方を考える必要があります。

だからこそ、独立してから、値付けの難しさを感じています。

値段での競争は、独立後、やらなくてよかったことの1つですが、その軸を守れているのは、常に少数派にいるんだということを意識するようになったことも大きいです。

たとえば、ブログを書くというのも少数派。

そのブログを毎日書き続けることも、いかに価値を提供していくか?価値を感じていただけるか?といったことを工夫するためのいい負荷にもなっています。


【編集後記】
昨日は朝、長男(4)を幼稚園に送ってから仕事。最近はずっと「お母さんが送って」と首を横に振られ続けてて、久しぶりのご指名でした。午後からお客様と相続税申告の打合せを。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
ファミマ 桜本町駅前店
ファミマ 緑滝ノ水店


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