値引きは簡単にするべきではありません。
1割値引きをすると、利益はどれだけ減少するのか。これを知っておくことが大切です。
(さんまの蒲焼丼 ねぎぼうず 名古屋市守山区)
なんとなく値引きをしてしまいがちだけど
売上が目標に達していないと、その場の雰囲気に流されてなんとなく値引きしてしまう。
金額もなんとなく1割引きで販売してみよう、そのほうがたくさん売れるからみたいな感じで・・・。
しかし、安易な値引きはやめるべきです。値引きは結果として自らを苦しめることになります。
「1割値引きして売ってみよう。」そのなんとなく決めたことが、どれくらい影響するのかは具体的に数字で見てみるべきです。
1割引きで売ったら、1割増しで売ったらどうなるのか
1割引で売ったらどれくらいの利益に対するインパクトがあるのかは事前に知っておく必要があります。
こんなモデルがあったとすると、売上単価を1割値引きしてみるとどうなるのでしょうか。
1割値引きした場合は
売上単価700円の1割引きは630円です。仕入単価245円には影響がありません。
当初の利益が238千円あったのが、1割値引きすると63千円まで下がります。
このケースでは、売上単価を1割値引きをすると、利益は1割でなく、7割以上も下がるのです。
売上は売上単価×数量です。
ということは、当初と同じだけの売上を確保しようとした場合、値引きをした分、数量を増やす必要があります。
これをゴールシークを使って計算してみます。詳細はこちらの記事で紹介しています。データも同じものを使っています。
同じだけの利益238千円を出す場合のゴールシークはつぎのように設定します。
メニューバー→What-if分析→ゴールシークで次のような設定が必要です。
営業日数は変わらないものとすると、客数は118.16人→119人に来ていただく必要があります。
1日19人の客数を増やすとなると、それなりに大変です。
単価を1割下げたために、新たに1日当たり19人のお客様を増やせるのでしょうか?
仮に19人増やせたとしても、利益は変わりません。安易な値引きが結果的に苦労を招きます。
1割値上げしたらどうなる
逆に1割値上げをしたらどうなるでしょうか?
同じデータを使って考えてみます。売上単価700円を1割増にすると、770円です。
売上単価を1割増やすと、利益は1ヶ月で70%増える結果となります。
客数を1割減らすと
強気に値引きをせずに、結果的に客数が1割減った場合にはどうなるのでしょうか?
モデルデータを使って見てみます。
お客さんの数を1割減らすと1日あたりの来客数は90人です。
売上単価を1割減らすと、利益は63千円でした。客数が1割減った場合には124千円。
値引きをしないで1割のお客様が減ったほうが結果的に利益の減少は少ないことがわかります。
値引きをすることの影響が具体的に数字で把握できました。
ただ、当初の利益より減ってしまっているので、いずれにしても何か対策を検討しなければいけません。
方向性を決めるには数字を活用することは欠かせない
事業を継続する中で方針を変えるといった場面もあるかもしれません。
ただ、そのときにもなんとなくで決めるのではなく、ざっくりでも数字に落とし込んで判断をするといいです。
1割値引きをすると、利益に対するインパクトはどのくらいか?
値引きができなければ、客数の減少も予想されます。その場合の影響額はどのくらいか?あえて増やしてみたらどうか?
数字で把握ができれば、どの方向性で行くかも、より根拠をもって具体的に判断することができます。
数字を活用して考えるようにしましょう。
【編集後記】
昨日は午後からオフで三河方面に海岸沿いの雑貨イベントに行ってきました。海に近いところにいったので、風が強くテナントも終了時間より少し早めに切り上げていました。