売上のお金を前受けした場合の処理方法 クラウド会計での経理まで解説

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売上代金を最初にもらっている場合、どうやって経理をすればいいか?

質問をいただいたので、その方法をまとめてみました。

目次

仕事のお金を事前にもらうことだってできる

現在、単発の仕事もやっています。

スポット相談、個別コンサルティングやセミナーといったものです。

こういったスポットの仕事をする場合、あらかじめ料金をいただくようにしています。

お金をもらっていないと、当日は「お金をもらわなくちゃ」と気にしながら仕事しないといけませんし、お客様にも財布から現金をゴソゴソと出していただき、やりとりするのもスマートじゃありません。

スポットであるだけに、予定も空けて準備していたものの、ドタキャンをされてしまうなんてことがあったら痛すぎます。

事前にお金をいただいておけば、こういった心配はなくなります。結果、仕事を提供することに専念することもできます。

スポットの場合、あとで請求するよりも先にもらってから動くようにする方が、いろんな意味でリスク回避になります。

こういう話をすると、「仕事をしていないのに、お金をもらうなんて…」という声もありますが、後払いなのは慣習でしかありません。

お互いが合意していれば、問題ない話です。

大企業ならともかく、残念ながら中小零細には資金力がそれほどありません。

できるだけ早くお金が入った方が資金繰りにもプラスになります。

事前にお金をもらったら売上はいつ計上する?

通常は、仕事をしてからお金をいただく流れが多いですが、先にお金をもらうことになると、「じゃあ、どこで売上を計上すればいいのか?」というのは経理をするときには迷いどころとなります。

振込みの場合

例えば、スポットでの相談の申し込みいただき、事前にお金を振り込んでもらった場合、売上にするのはどのタイミングでしょうか?

振込みで前もってお金をもらっていた場合、どっちで売上を計上すればいい?
  1. お金を振り込んでもらった日 6月22日
  2. スポット相談を実施した日   7月 8日

お金をもらっているので、6月22日に売上にしないと…と思いがちなのですが、そうではなく、仕事を提供したとき、7月8日に売上になります。

ここでいう仕事を提供するというのは、商品などのモノを売る場合は、引渡しをした日と置き換えます。商品を郵送するなら出荷した日にするのが通常です。

仕訳パターン

仕訳で考えると、振込があった6月22日に、

6/22 預金 11,000 前受金 11,000

と処理しておき、まだ売上にはしません。

そして、スポット相談を実施した7月8日に前受金を売上に振替えます。

7/8 前受金 11,000 売上 11,000

その結果、2つの仕訳から前受金は消えて、預金と売上が残ります。

クレジットカード決済の場合

クレジットカード決済のパターンも考えてみましょう。

コンサルティングの売上はどこで計上するか?
  1. クレジットカードを決済してもらった日        7月  7日
  2. カード会社からお金の入金があった日       7月11日
  3. コンサルティングを実施した日                      7月16日

ただ、これでも考え方はまったく同じになります。

仕事を提供した日が売上の日になります。

余談ですが。最近、クレジット決済会社をSquareに変えたのですが、水曜日締めの金曜日入金と入金サイクルはよくなりました。(金利3.2%と低めなのも魅力です。今はキャンペーンで無料でした。)

クレジットカード決済サービスをPaymo bizからSquareに変更 使いやすさで選んでみた   | GO for IT 

結果、仕事より入金の方が早くて、結果として前受けと同じようなことになるケースもあります。

そのほうが資金繰りを考えると助かるわけですが。

仕訳

上記の流れを仕訳で考えてみます。

まず、クレジットカード決済があったタイミングで、

7/7 売掛金(クレジット) 32,000 前受金 32,000

と処理しておきます。(私は取引があったところで、仕訳処理があるとしているのでそうなっています。)

その後、カード会社から入金があったタイミングで、

7/11 預金 32,000 売掛金(クレジット) 32,000

とします。これでまず売掛金(クレジット)が消えます。

補足
カード会社からの入金が最後になるケースも多いです。ただ経理処理は変わりません。

次に実際に仕事をしたときです。このタイミングで売上を計上するというのは、振込の場合と同じです。

7/16 前受金 32,000 売上 32,000

1つにまとめて処理しちゃダメ?

いちいち、分けて処理しないといけないのか?とおもうかもしれませんが、前もってお金をもらった日(7月)と仕事を提供する日(8月)が違う月で、かつ、決算(7月)をまたいでいると、入金時に売上にすると影響があります。

売上を前倒しすることになり、その結果、税金を前払いしてしまうことにもなりかねません。

さらに月次決算を考えた場合には、仕事をしていない月に売上が計上されることになり、正しい数字を把握することはできません。

といったことがあるので、キッチリやっておきましょう。

前受金のままで忘れないためにすぐに振替処理をする

経理処理でやりがちなのは、前受金を計上したのはいいものの、売上への振替処理を忘れて、そのままにしてしまうことです。

そうならないように、「預金 / 前受金」の経理処理をしたら、

間髪入れずにすぐさま先日付で「前受金 / 売上」の振替処理をして、前受金をゼロにして残高が残らないようにしてしまうのがおすすめです。

 

うえむら
すぐに振替えちゃいましょう!

実際のところは、貸借対照表の前受金の残高を見ればわかるのですが、前受金にしたままだと、翌月以降にやるべき売上への振替処理をついつい忘れてしまいます。

補足
期をまたぐ場合には、残高が残ります。

結果として、月の売上も違ってきてしまい、判断ミスにもつながります。

なのでぜひやっておきましょう。

マネーフォワード クラウドの場合(事例は振込)

マネーフォワードクラウドの場合、こんな感じで入金があったら、
スクリーンショット 2019 07 19 20 04 51

すぐに売上への振替の仕訳も入力しておきましょう。これで前受金の残高はゼロです。

スクリーンショット 2019 07 19 20 05 15

freeeの場合(事例はクレジットカード)

freeeの場合、クレジットカード決済があったときに、売掛金(クレジット)/ 前受金 で経理しておき、更新ボタンをクリックして、

スクリーンショット 2019 07 19 20 01 54

すぐに前受金を先日付(7月16日)で売上に振替えておけば、振替を処理もれすることもありません。

スクリーンショット 2019 07 19 20 02 25

 

補足
説明は省略しますが、その後にクレジットカード会社から入金があったら、売掛金の決済処理をしておきましょう。

freeeの場合は、日付を西暦で入力することもあって、たとえ期をまたいでいる日付だとしても、繰り越し処理をしないでそのまま入力できます。これは結構便利です。

資金繰りを考えても、前もってお金をいただく前受金にはメリットがあります。少しずつ取り入れてみるのがおすすめです。

実行の際は、今回の会計処理も参考にしていただければ。


【編集後記】
昨日は土地の現地調査と相続税申告の打ち合わせを。現状案での概算額をお伝えしました。AmazonのFire HDが届きました。Prime Dayで購入しました。これは利用時間を決めて、長女(11)メインに利用してもらうつもりです。ただ、Kindle読むには軽くていいなぁと思ったのでときどきは使わせてもらおうかなって思っていますが。

【昨日の1日1新】
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