赤字より利益がいい、というのは誰もが思うことではありますが、税金のはなしになると利益を減らしたいと考える会社も少なくありません。
税金を払いたくないからと、利益を避ける会社はどうなるのか？あえて利益を選ぶ会社と比較してみました。
税金を払いたくないから交際費を使う？
会社は赤字より利益がいい、というのは誰もが思うことでしょう。
ところが、利益が必要だということはわかっていても、とあることが絡むと、とにかく利益を減らしたいと考える会社も少なくありません。
そのとあることとは何か？
税金です。
会社の税金（法人税）は「利益×税率（ざっくり30％として。）」で計算されるため、利益が増えると税金も増えることになります。
「税金が増えるのは困る…。」と税金を払いたくないから、とにかく税金を減らしたいという結論に至ります。
結果として、税金を減らすために、
「経費をもっと使おう。」
「何か買うものはないか？」
ということを考えるわけです。
ところが経費を増やすということは、そもそもの税金計算のもとになる利益を減らすということになります。
不要なものを買う、交際費を使うなど、必要だといえない経費を増やしてまで利益を減らし、税金を減らすというのはおすすめできません。
「利益」と「お金」のつながり
必要以上に経費を増やした結果として、どうなるのか？
話をすすめる前にお伝えしておきたいことがあります。
会社の決算書の損益計算書と貸借対照表。実はこの2つはつながっています。
具体的には、損益計算書の税引後当期純利益、この金額が貸借対照表の純資産の金額にプラスされています。
ここで貸借対照表にある純資産というのは、主に資本金と利益剰余金のことをいいます。
ちょっとややこしくなってきましたが、資本金というのは会社をつくったときの元手、利益剰余金というのは、過去の税引後利益が貯まったもの。
貸借対照表というのは、左の箱と右の箱の高さは必ずいっしょになりますから、右の箱で税引後当期純利益100の分だけ純資産が100増えれば、左の箱でも同じ100だけ増えているはずです。
利益が出ればお金は増えるということであれば、何も買わなければお金が増えるということになります。
（実際はいろんな動きがあるわけですが、ここではわかりやすくするために他の動きは一切考慮外としています。）
ただ、この貸借対照表で増える利益というのは、実は税金を精算した後の利益です。損益計算書としては、税引後利益（100）の手前で税金（42）を精算しています。
だから、税金を払わないとお金が貯まらない、と考えることもできるわけです。
利益を選ぶ会社と利益を避ける会社の差は？
利益を選ぶ会社と利益を避ける会社ではどう変わるのか？
それぞれで考えてみます。
利益を選ぶ会社は？
利益を選ぶ会社は、前述したとおりです。
142の利益を出して、42の税金をはらった結果、税引後利益は100になり、
その利益が貸借対照表の利益剰余金に100プラスされます。結果として純資産が100増え、お金も増えたということになります。
ただし、払う税金が本当に42でいいかどうか？というのは考えておきたいところです。
前述したように払う必要のない税金は払わなくていいですし、できる節税はやるべきだからです。
- 未払金の計上をする
- 税額控除が使えないか？
- 経営セーフティ共済（倒産防止共済）に加入する
などは検討しておきたいところ。
税金を払わないとお金が貯まらないとはいえ、税金をいくら払うかというのはある程度選びたいところです。
利益を避ける会社は？
そして利益を避ける会社というのは、とにかく税金を減らしたいわけですから経費をたくさん使おうと動きます。
たとえば、利益が出ないように交際費 にパーッと使ったとすれば、たしかに利益がなくなり、税金を払わずに済むわけですが、
赤字ですから貸借対照表の純資産が減り、さらには交際費でお金も使ってしまったわけですから、手元のお金も減るという結果に。
結局、交際費を使うくらいなら、グッとこらえて税金を払っていたほうがお金は残っていたわけです。
世の中、うまくできていて税金を払わないと、お金が貯まらないと言われるのはこうしたしくみからもわかります。
本音をいえば、税金を払いたくないというのはあるのですが、仕事を続けるためにはお金も必要ですから、やはり税金はある程度はしっかり払っていく必要がある、ということになります。
税金を払うことを好きになれとはいいませんが、税金を払いたくないからと利益を避けている会社は、税金を払うことも前向きにとらえてみましょう。
【編集後記】
昨日は髪をカットして、その後にZoomでの打合せでした。長男(5)のサッカー教室のお友達で上手な子がいるらしく、練習したいということで、週末にまたいっしょに練習しようかと。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
ファミマ ごちむすび
