事業を継続する上で損益分岐点を知っておくことは重要です。
損益分岐点を見る代表的なものに損益分岐点売上高があります。
損益分岐点売上高とは利益がゼロになる売上をいいます。
損益分岐点は1つじゃない いろんな角度から見てみよう。
損益計算書に数量などの情報を持ち込むことで更なる情報が見えてきます。
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損益分岐点がゼロになるときの売上高は?ということで「損益分岐点売上高」の話はよく聞きますが、損益計算書に数量などの要素を持ち込めば、損益分岐点としては4つ考えられます。
「売上単価をいくらまで値引きしたら利益はゼロになってしまうのか?」、「販売数量がいくつ減少したら利益がゼロになるのか?」、「仕入単価がいくら上がったら利益がゼロになるのか?」、さらに「固定費がいくらまで増えたら利益がゼロになるのか?」というように4つの方向から考えることができます。
損益分岐点の計算をするには、費用を「変動費」と「固定費」に分けておくことが大事です。
費用を「変動費」と「固定費」に分ける
まずは損益分岐点を考える場合には、費用を「変動費」と「固定費」に分けることから始めます。
「変動費」
売上の数量に比例して増える費用。一般的には仕入や外注費などが該当します。
「固定費」
売上の数量がゼロでも毎月定額的に発生する費用。一般的には家賃や人件費、電気代などが該当します。
実績値を分解してみる
ここまで分けたら損益の実績値を要素別に分解しておきます。売上なら売上単価と数量と日数といったようにです。
その事業ごとに分解する要素を変えてみることで、より実態に沿った分析ができます。
ここでは飲食店をモデルに考えてみます。
ゴールシーク機能を使ってみる 一瞬で答えを教えてくれます
損益分岐点をExcelで計算することで、色々な検証をすることができます。
今回はゴールシーク機能を使ってみます。
ゴールシーク機能
特定のセルの値が指定した数値になるために、その結果を得るための数値を逆算する機能です。
修正の対象となる数値は「数式」でなく「直接入力値」である必要があります。
数式を入れて関連付けておく必要がありますが、設定した式を表示しておきます。
難しい関数は、ほとんど使っていません。(というか知らないだけかもしれませんが・・・)
ここまで準備できれば、早速「ゴールシーク機能」を使ってみましょう。
例えば、何人お客さんが減ったら利益がゼロになるのかを見たい場合には、ゴール(知りたい要素)はお客様の数になります。
データ → What if 分析 → ゴールシークを選択します。客数が「直接入力」になっていることを確認してください。
「Alt」→「A」→「W」→「G」でも選択できます。
この式の意味はG17がゼロになるようにG6に回答してくださいというものです。
回答が一瞬で出ました。79人になったら利益がゼロになります。ということは1日あたり21人の客数が減少したら利益がなくなるということになります。
「やり直し」のボタンなどでも元に戻すことが可能です。
今度は利益を500千円にしたい場合には何人の客数が必要かを見てみたいと思います。
この場合にはゴールシークの目標値を500にすることで計算できます。
1日あたり123.10人→124人になれば利益が500千円にすることができます。
毎日の客数をあと24人増やす手段を考える必要があります。
あるいは他の要素を変えてこれに近づける必要があります。
利益を500千円にするために、仕入単価を10円上げて、商品価値を高くした上で売上単価を設定したいと思います。客数を1日あたり110人にはできるとした場合には単価はいくらにすればいいでしょうか?
この場合には仕入単価と客数を入力し直して、同じことを売上単価の欄でやるだけです。この場合には「764.11円→765円」にすればいいとなるわけです。
765円にしても110人以上のお客様に受け入れてもらうようなアイデアを考える必要があります。
同様に他の要素を変化させるセルに設定すれば、損益分岐点売上だけでなく、いろいろな答えを得ることができます。
損益計算書に数量などの情報を持ち込むことで色々な情報が見えてきます。数字による判断ができるようにしましょう。
【編集後記】
昨日は一日オフ。午前中は子どもたちと遊び、午後はそのまま友人の経営する床屋へ。3人でカットしてサッパリしました。夏は毎年髪をサッパリするようにしています。