数字だけ見ててもわからない ファンチャートで伸び率を「見える化」しよう

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グラフで表示することで、数字で見ているだけでは気付かなかったことに気づくことができます。

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ファンチャートは増減傾向を読み取るのに有効なグラフです。

 

目次

ファンチャートとは

ある基準時点を100%として、それ以降の数値を基準時点に対しての増減割合で表示して、伸びや落ち込みを折れ線グラフで示したものです。

グラフが扇のような形になることから「ファンチャート」といいます。

金額の規模が異なるものでも%(パーセント)で見るため、突発的に発生したものも捉えることができます。

ファンチャートで今伸びしろの多い商品がわかる

具体例で見てみます。下記はある企業の商品別の売上推移です。今一番ウケがいい商品に積極的に営業をかけて行きたいと思っています。

キャプチャ
平成25年度から平成28年度の売上高の推移を数字で見ても、商品Aと商品Dや商品Eでは特に売上規模が大きく乖離しているのがわかります。

 

次にこれをグラフで見てみましょう。

キャプチャ3

このグラフで見るとすべての商品が右肩上がりにはなっています。しかし、どれが大きく伸びているのかまではわかりません。

伸びているものとなれば、全部伸びているということになり、ハッキリとした策を打つことができません。

 

ここでファンチャートの出番です

このデータをファンチャートにしてみます。平成25年度の売上実績を100%として平成26年度以降の伸び率を計算します。

キャプチャ2

 

各年度の式は下記のようになります。$マークはF4キーで選択することができます。例えば、C17のセルでは「+C7/C6」の分母のC6にカーソルがある時にF4キーを2回押すと写真のようにできます。

この式を他のセルにもコピーするだけです。

キャプチャ6

 

この計算結果をグラフで表示したものが「ファンチャート」になります。

キャプチャ4

こうすれば実は、最も売上の小さい商品Eが急激に伸びていることがハッキリとわかります。商品Eにはまだ大きな伸びしろがあると想定されます。

売上は単価✕数量で構成されます。商品Eの売上をより増加させるために単価を上げるのか?、数を増やすのか?、あるいは両方とも増やすのか?といった具体的な戦略につなげることが可能です。

今回は売上をファンチャートで作成してみましたが、大事なのは売上でなく、粗利益をいかに増やすかです。

売上が増えても売上原価が増えたら効果は減少します。事業を継続するには固定費を上回るだけの粗利益を増やすべきです。

 

ファンチャートの応用

ファンチャートは売上だけでなく、粗利益で作成したり、費用でも作成することができます。ちなみに借入金残高の推移をこのファンチャートで表示してみます。

図3

平成24年4月時点の借入金残高を100%とした場合に、長期借入金は残高が順調に減少しているため、右肩下がりのグラフになります。4年間で当初の60%の残高になっています。

一方で短期借入金については毎年9月ころになると短期借入金が増えて11月頃に返済してというのを繰り返しているのがわかります。毎年この時期に大きな資金が必要なのでしょう。

短期借入金の残高は4年間でほとんど変わっていないので、固定資産もある程度あれば資金繰りが厳しいことがわかるわけです。

この場合、短期借入金を長期借入金にシフトしていくべきだと判断することができます。これも数字だけ見ていてもなかなか把握することはできません。

気になる数字があったら、一定期間の推移をファンチャートにしてグラフで見てみましょう。何か新しい気づきがあるかもしれません。

【編集後記】
昨日は午前中は通常業務。午後はお客様と会計ソフト導入の打ち合わせ。amazonで書籍を2冊注文。これまでは注文したら早くても2日後に届いていたのですが、一昨日の夜に注文して、昨日の夜に到着。何と1日で届きました。関東圏では当たり前のことかもしれませんが、中部圏の私にとってはビックリな出来事でした。

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