相続税がかかるというと、それだけで「財産がなくなる」「ほとんどもっていかれる」といったイメージを持たれる方は多いです。ただ、相続税を過度に嫌うとデメリットもあります。
その理由を3つあげてみました。
そもそも相続税は高いのか?
「相続税がかかるから」
「相続税でほとんど持っていかれる」
といった声を耳にすることがあります。
確かに相続税は財産が増えるほど負担は大きくなることもあって、生前贈与などの相続対策をやっておきたいケースもあるのですが、すべての相続で必要かというとそうでもないわけです。
たとえば、相続人が子ども2人で財産が6000万円の場合の相続税はいくらか?
180万円です。
…と、相続税の金額だけを聞くと「た、高い…。」と思われるかもしれません。
ただ、相続財産に対する負担は?というと3%です。(=相続税180万円/相続財産6,000万円)
3%というとそれほど高い負担ではありません。
銀行金利が2%とするとそれよりちょっと高いくらい。
少なくともすべての相続で「相続税でほとんどもっていかれる」ということはないわけです。
相続の実態がわからないのに、、相続税を払うのを過度にきらって、やみくもに贈与したり、節税しても意味がありません。逆効果になることもあるでしょう。
相続税を過度に嫌わず、相続があったときにいくら払うのか?を確認しておきましょう。
やみくもに節税をすることなく、相続税を払えばいいこともありますから、事前に相続税を計算して相続税の支払いと向き合ってみることも大事です。
節税を最優先にすると…
相続税を過度に恐れて、とにかく節税を優先させようとする方がいます。
節税すれば、相続税の支払いは少なくなることは事実です。
ただ、これはおすすめしません。
なぜなら、節税を最優先にすると、財産分けも偏ったケースになることも多く、結果として相続人同士でもめる結果にもなるからです。
相続人である長男が「これが相続税がいちばん安くなる道なんだ」といったとして、その財産の分け方が長男に偏ったものだったら、他の相続人はどんな感情になるか?
当然、黙っていないでしょう。
「兄さんばっかり財産を引き継ぐなんて」という声から、はなしがまとまらなくなる可能性も高いです。
申告期限までにはなしがまとまらないと、未分割のまま申告をしないといけません。
すると、「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」などの特例も使えません。
結果として、いったんは、本来よりも多くの相続税を払うことになります。
相続対策といっても、相続税対策とは違います。
「もめない」「払える」「相続税の節税」をバランスよく対策することが大事です。
あえて、優先順位をつけるとすれば、「相続税の節税」よりも「もめない」が優先です。
ときには、相続税がちょっと高くなるとしても、もめない相続を選ぶことも大事です。
そのために、生前に遺言書をつくっておくこともやっておきましょう。
ぜんぶ母に相続してもらうと…
父(母)の相続があったとき、母(父)の相続税の負担は少なくなるような特例があります。
それが「配偶者の税額軽減」といわれる特例です。
配偶者の相続がそれほど遠くない時期にやってくるであろうことを想定して、1.6億円までの財産なら引き継いでも相続税がかかりません。
その特例を知ってか、知らずか「お母さんがぜんぶ相続すればいいよ」という相続もお見かけすることがあります。
これは前述した「もめない」から考えると、一歩引いた相続で素晴らしい光景です。
ただ、その理由が「相続税を払わなくていいから」という理由なら要注意です。
なぜなら、2次相続のことがすっぽり抜けているからです。
2次相続とは、父(母)の相続があったあとの母(父)の相続。もし、父の相続財産を母がぜんぶ引き継いだ場合には、母の相続で相続税がかかる財産は、引き継いだ財産+母のもともとの財産になりますし、相続人も1人減っていますし、配偶者の税額軽減も使えません。
結果、1次相続で相続税がゼロで払わずに済んだとしても、2次相続で相続税がどーんとかかることもあるのです。

これを避けるためには、1次相続で相続税を払うことも選択肢にいれて、子どもも財産を引き継いでおくことです。
2次相続を視野に入れて、1次相続での財産分けを考えておく必要がありますし、もっといえば生前のうちから、どうやって財産を妻や子どもたちに引き継いでもらうか?を検討しておくことが大事です。
…ということで、相続税を払うのを過度に避けると、デメリットもあるというはなしをしました。
いかにもめることなく財産をわたすか?を優先して考えるのが大事です。もめるデメリットも多く、それならある程度の相続税をスパッと払ったほうがいいという考えもあります。
【編集後記】
昨日はオフ。
雨だったので午後に買い物に出た後は
自宅で過ごしていました。
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