「うちは相続税かからないですよね?」というご質問をいただくことがあります。
その質問に答えてみようかと。
「うちは相続税かからないですよね?」
わたしも税理士として相続のしごとをやっています。
これから相続のことを考えないといけないという不安から、お客さまからご相談いただくこともあります。
その中でいちばん多いのが
「うちは相続税かからないですよね?」
「わたしは相続税をいくら払うんでしょうか?」
といったご質問。
これにひとことでお答えするならば、「わかりません。」ということです。
だって、聞いていないことが多すぎますから。
…といってしまえば、ここで話が終わるわけですが、なぜわからないのか?もう少しはなしを広げてみましょう。
財産の把握ができている?
ご質問いただいている段階では、口頭だけの情報も多いです。
でも、
実際に財産がどれだけあるか?
評価額がいくらになるか?
特例が利用できるかどうか?
などはわかりません。
相続人が何人いるのか?で基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)も決まりますから、同じ財産額でも相続人が1人なら基礎控除額は3600万円。相続人3人よりも相続税はかかりやすいといえます。
また、相続財産の範囲は、預金や株式、不動産だけでなく、もっと広い範囲です。
たとえば、借地権(マンションの敷地権)などは把握されていないでしょうし、亡くなった方が老人ホームに入っていて保証金としてのお金が一部戻ってくる場合には、そのお金も相続財産になります。
生命保険には非課税枠(500万円×法定相続人の数)があって相続税がかからないと思われているかもしれません。確かにそうなのですが、非課税枠を超える保険金には相続税がかかりますし、受取人が相続人でないと非課税枠を利用することはできません。
さらに生命保険契約の被保険者が亡くなった方ではなく、子どもや孫の場合もあります。
その場合、保険金がおりませんが、契約はその後も続くことから生命保険契約を自由に扱える権利(解約したり、継続したり自由にできる)に相続税がかかります。
ということで。想定されているよりも相続税のかかる財産の範囲は想像されているよりも広いものです。
どれだけ財産があるか?をしっかり把握しないことには、なんとも言えないわけです。
また、特例を利用できるかどうか?
「小規模宅地等の特例」は土地の評価額を減額できる特例。これを利用できれば相続税の負担は大きく変わりますし、特例を利用した結果、相続税かからないことも。
どの土地で「小規模宅地等の特例」を利用するかでも変わりますし、生前のうちに特例を利用できるように土地の利用を検討してもくことでも変わるでしょう。
ということで、ご質問をいただくこともあるのですが、口頭では相続税がかかるともいえないし、かからないともいえません。
どんな財産があるのかを把握してから計算してみると、ぼんやりと相続が見えてきます。
相続税をいくら払うか?
わたしは相続税をいくら払うんですか?
これも口頭だけではわかりません。
…というのも相続税は亡くなった方のすべての財産を集めて評価して、基礎控除額を超える場合にかかる税金。
前述したように財産がどれだけあるか?をもれなく把握しないといけませんし、すべての財産をもとに相続税を計算して、その相続税をそれぞれの相続人がどれだけ財産を引き継いだか?その割合によって相続税の負担も割り振るからです。
つまり、相続税がいくらかかるか?全体の相続財産のうち、何割を引き継ぐのか?を教えていただけないと、ざっくりでもお答えができないわけです。
その疑問をもっていただくのはいいことで、少なくとも相続や相続税を考えているということですから。
ただ、口頭ではなんとも言えないので、生前のうちに相続税がいくらかかるか?をざっくり計算して知ってみるのもおすすめです。
相続税がざっくりでもわかれば、それをきっかけに生前のうちに
誰にどの財産を引き継いでもらうか?
相続税を払えるか?
相続人に払えるか?
特例を使うか?
といったことは考えることはできますので。
わからなければ、税理士に相談しつつでも。
口頭ではお答えできませんが、疑問を持っていただくのはいいことかと。
【編集後記】
昨日はオフ。午後から妻と長男(10)と外出。
2人で映画を見ている間に
わたしはスタバでブログを。
新レンズもお試し。
いい感じです。
下取りに出すレンズ、
カメラの整理なども。
【昨日の1日1新】
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