相続があったときに、財産を法定相続分で分けるという考え方は今も残るものです。
ただ、何でも法定相続分で分けることはおすすめしません。
その理由をまとめてみました。
財産をどう分けるか?
相続財産をどう分けるか?
はるか昔には、家督相続という考え方があり、長男がすべての財産や債務を引き継ぐのがルールでした。
この考え方は、1947年になくなっているのですが、相続を想定される方がこの時代の方ということもあり、「長男が実家を継ぐ」という考え方を耳にすることも。
今は、相続人の順位が決められていて、長男だけでなく、相続人それぞれに権利があります。
ただ、これにも「法定相続分」で分けるという考え方から、決められた割合で相続しないといけないのでは?と質問を受けることもあります。
今の相続では、遺言書があれば、遺言書のとおりにわけることになりますし、遺言書がなければ、財産をどう分けるかは相続人同士の話し合いで決めることになっています。
そこで遺言書がない場合に、揉めないようにするために、「全部均等に分ければいいのでは?」と考える相続人の方もいらっしゃいます。
確かに揉めないことは大事ですが、法定相続分や均等にわけるのはおすすめしない財産もあります。
それは不動産の共有です。
不動産を共有するデメリット
預金は法定相続分や均等で分けようと思えば、分けることは可能です。
相続財産となる預金額の合計を等しく分ければいいわけですから。
でも、不動産はそうそうカンタンではありません。
たとえば、長男が賃貸不動産を1人で相続するとなると、他の相続人と引き継ぐ財産にかたよりが出ます。
他の相続人が納得いかないとなると、話をまとめるために共有という選択をしがちです。
それでも、共有はおすすめしません。
なぜなら共有した不動産は、誰か1人でも反対があれば、動かすことができないからです。
賃貸不動産を共有して相続人の2人が「売ろう」となったとしても、残りの1人が「売りたくない」というと売ることはできないことを意味します。
また、いずれ世代が変わるのもおすすめしない理由です。
相続人同士は兄弟でやりとりしているうちはまだしも。それぞれに相続があると、不動産の権利をもつヒトが増えることになります。
長男に相続があれば、その妻と子どもなどが権利を引き継ぎますから、1人が持っていた権利は分裂します。
他の相続人も同様です。
その後に下の世代になったときに、ちゃんと連携をとれるかどうか?
親戚とはどのくらい会うのでしょうか?
ほとんど会わないというケースもあるでしょう。
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不動産は「先祖代々からのものだから守らないと…」という考えからの共有も気持ちは理解はできますが、共有することであとで処分したくてもできないなど、悩ましい問題になることが多いのです。
だからこそ、共有はおすすめしません。
ひとりで所有すれば、持ち続けることも、手放すことも1人で決めることができますから。
なるべくバランスをとるには?
では共有しないためにはどうすればいいのか?
不動産を共有しなくてもいいように、生前のうちから対策をすることです。
具体的には、
・今ある相続財産を調べて評価する
・どの財産を誰に渡したいかを決める
・かなり偏りがあるなら、もめないよう対策を打つ
といった流れです。
不動産を引き継ぐ相続人を受取人とした生命保険をかけておき、相続があったときに振り込まれた保険金を元手に、他の相続人にお金をはらって精算してもらう(代償分割)のも選択肢の1つでしょう。
遺言書を書いておくのもやっておきたいことです。
あるかないかでは大きな違いですから。
自宅の不動産を引き継ぐのは、長男にしたいということであれば、長男に偏るのは仕方がないところです。
ただ、揉めそうなら早いうちに対策をしておくことです。
相続があってからでは、解決するのもカンタンではないですから。
正直なところ、不動産があれば、財産を均等に分けるというのは、かなりむずかしいです。
法定相続分を意識しすぎたり、均等に分けようとすれば共有の問題が出ます。
分筆しておく、事前に売っておくというのも手ではありますが、慎重な判断は必要です。
【編集後記】
昨日はオフ。午後から長男(10)と3人で、妻お気に入りの常滑のカフェへ。
ソイラテが常滑焼きで出てきて、雰囲気があるいいお店でした。ブログもちょっと。

その流れでコストコに買い物へ。
東京への出張があるので、旅行カバンを新調しました。
【昨日の1日1新】
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