税理士受験をするなら税理士業界の現状を知っておこう 「選択」と「集中」が必要

  • URLをコピーしました!

2016年の税理士試験も終わりました。

キャプチャ

新たに税理士試験を決意する人もいるのではないでしょうか。税理士試験の勉強を始める前に業界のことを知っておくことも必要です。

実態がわかればいろいろ見えてくることもあります。

目次

税理士試験の受験者数が年々減っている 業界としては大きな問題

税理士試験の受験者数が減っています。かなりの減少です。5年間で約13,000人/年も減少しています。

 

キャプチャ

合格率は私が受験していた頃よりも少し上がっているように感じます。これも母数は減っているけど、合格者は一定数を出していく必要があるという国の考えもあるのでしょう。

[blogcard url=”https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/shikenkekka2015/01.htm”]

どのくらい減少しているのかを平成23年を100%とした場合のファンチャートで見てみますとこんな感じになります。

キャプチャ2

これを見れば受験者数は5年で26%も減少、つまり1/4も減っているという現実が見えます。

このままでは税理士の数自体が痩せ細っていくことになってしまいます。

年金財政と同じような逆三角形のように税理士が減少してしまうことで、税理士業界にも依頼する側のお客様にもいい影響はないでしょう。

色々なデータから税理士業界の現在形が見えてくる

減少している原因は色々あると思います。ここにあげたものは一部です。メディアなどの影響も少なからずあるでしょう。

① 税理士や会計事務所の増加がここ10年で顕著であり、独立して食べていくのが難しいと感じる

② クラウド化による記帳代行サービスの消滅が予想されている

③ 一定期間勤務した税務署OBや公認会計士、弁護士なども税理士登録ができるため、垣根が低い資格だ

④ 残業が多く、受験を諦めてしまう

税理士の登録者数は現在75,000人を超えています。年々増加していきます。

 

キャプチャ

毎年登録者数が500~600人前後増えていることを考えると「やめよう。」と思うのも無理もないのかもしれません。

何年もかけて税理士試験の狭き門をくぐり抜けても、その後、税理士として独立して食べていけるという保証はないわけですから。

しかし、フタを開けてみると、ある1つのことが見えます。

この税理士業界には高齢な方が多いのです。税理士の高齢化は業界全体の問題です。

これは日本税理士会連合会の税理士実態調査報告書の調査資料データを加工したものです。

キャプチャ

これを見ると、60代以降の登録税理士の割合は、全体の54%もいます。75,000人のうちの54%が60歳以上の税理士で、その数は40,000人にもなります。

これだけ高齢な税理士が多い理由の1つには税務署OBの存在があります。

税務署に23年以上勤務すると税理士になれるというルールがあります。

税理士には定年がありません。税務署OBの方は税務署を定年になった後に税理士登録をしているパターンが多いのです。

今年の確定申告の電話相談の仕事を名古屋国税局で数日やらせて頂きましたが、そこにもOB税理士の方がたくさん来ていました。

「お客様は数件だけで年金のプラス収入という形で関与している」というOB税理士の方にもお会いしたことがあります。

税理士の中にはそういった意味合いで税理士登録をされている方もいるのです。

もし税理士になりたいという強い気持ちがあるのであれば、こういったデータだけに惑わされることなくチャレンジするべきでしょう。

しかし、税理士、会計事務所が多く、さらにクラウド化によって「値下げ競争」になっているなど厳しい業界であることは事実です。

税理士登録後、独立後に「値下げ競争」に巻き込まれないような自分なりの工夫は必要でしょう。去年独立した私もこれに巻き込まれないよう、あれこれ考えています。^^;

 

税理士受験の環境は自分自身で創り出す

こういった現状もありますが、「それでも税理士試験を受験するのか?」ということを考えてみましょう。

その中で税理士受験を決意したのであれば、目的に向かって突き進むのみです。

税理士試験は競争試験です。受験専念にしても、働きながらにしても時間確保は必須です。

そのために大事なことは、やはり「環境」でしょう。

専念の方で、学校に毎日通える方はその環境があることに感謝しましょう。

私も合格まで4年かかりましたが、やはり受験専念で勉強できたことの有り難みを本当に感じています。

自分の力だけでは決して4年での合格はできなかったと思います。

働きながら税理士試験を受験する場合には、「職場環境」が重要になります。

自分にどれだけやる気があっても、残業が多いという職場ではどうしても時間の確保は難しくなります。

学校に行く時間が減ると、諦めの気持ちも出てきて「残業が多いから」とそれを理由にダラダラと合格出来ない受験期間を過ごすことになるかもしれません。

1日数時間しかできなくても、毎日積み重なれば結構な時間になります。

結果として、1年で大きな時間差を生みます。それでも働きながらでは1~2科目が限度でしょう。

今の環境は残業が多いというのであれば、職場環境を変えることも1つの選択肢でしょう。

これにより給料が下がるなどの影響があるかもしれませんが、何を重要視するかは自分自身で選択することになります。

「選択」と「集中」。できるだけ受験回数を少なくするためにも集中できる環境を創り出しましょう。

 

 

【編集後記】
昨日はオフ セミナー資料完成 実家に帰省してゆっくり過ごしました。夕方には長女(7)と近所を1時間位散歩を。

【お知らせ】
8/20(土)15:00~ TAC名古屋校の「実務家セミナー」にてお話させて頂きます。税理士受験を志す方であれば、どなたでも参加無料だそうです。

興味あれば是非。内容は税理士に合格した後にこれまで何をしてきたか?何が必要かという話を中心に。かなり煽り気味のチラシはコチラ

 

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次